• TSRデータインサイト

AOKIHDが123億円の赤字へ 入学式や入社式などイベントの開催自粛が影響

 新型コロナウイルスの影響が長引き、当初の予想通りに入学式や入社式が行われることが難しくなり、下方修正につながった。紳士服大手の(株)AOKIホールディングス(TSR企業コード:292080697、東証1部)は3月19日、2021年3月期(連結)の最終利益が当初予想の53億5000万円の赤字から123億円の赤字に悪化しそうだと発表した。

 AOKIHDの発表によると、第3四半期連結の累計期間はおおむね予想通りに推移したという。ただ、今年1月の緊急事態宣言の再発令や延長により、外出自粛の要請や一部店舗の休業、時短営業が続き、想定以上の影響を受けた。

 昨年9月に発表した当初の業績予想では、経済活動が徐々に回復し入学式や入社式などのイベントが行われることを前提としていた。第4四半期に経済活動が回復傾向となる見通しだったが、逆に引き続き経済活動が制限され、下方修正を余儀なくされた。

 2021年3月期(連結)の業績予想は、売上高1420億円(前回予想1513億円)、営業利益75億円の赤字(同20億円の赤字)、最終利益123億円の赤字(同53億5000万円の赤字)とそれぞれ下方修正した。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2025年度の業績見通しに大ブレーキ 「増収増益」見込みが16.6%に急減

トランプ関税、物価高、「価格転嫁」負担で、国内企業の業績見通しが大幅に悪化したことがわかった。2025年度に「増収増益」を見込む企業は16.6%にとどまり、前回調査(2024年6月)の23.3%から6.7ポイント下落した。

2

  • TSRデータインサイト

2025年3月期決算(6月20日時点) 役員報酬1億円以上の開示は117社・344人

2025年3月期決算の上場企業の株主総会開催が本番を迎えた。6月20日までに2025年3月期の有価証券報告書を510社が提出し、このうち、役員報酬1億円以上の開示は117社で、約5社に1社だった。

3

  • TSRデータインサイト

チャプター11をめぐる冒険 ~ なぜマレリはアメリカ倒産法を利用したのか ~

ずっと日本にいるのに時差ボケが続いている。  「マレリのチャプター11が近いから関連サイトをチェックし続けろ」と6月6日に先輩に言われて以降、私の生活はアメリカ時間だ。

4

  • TSRデータインサイト

代金トラブル相次ぐ、中古車販売店の倒産が急増

マイカーを売却したのに入金前に売却先の業者が破たん――。こうしたトラブルが後を絶たない。背景には、中古車価格の上昇や“玉不足”で経営不振に陥った中古車販売店の増加がある。倒産も2025年1-5月までに48件に達し、上半期では過去10年間で最多ペースをたどっている。

5

  • TSRデータインサイト

定量×定性分析 危ない会社は増えたのか?

2024年度の全国倒産が1万144件(前年度比12.0%増)と11年ぶりに1万件を超えたが、企業の倒産リスクはどの水準にあるのか。東京商工リサーチが企業を評価する「評点」と「リスクスコア」のマトリクスからみてみた。

TOPへ