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「社債償還」が注目されるユニゾホールディングス

 2020年6月、初のEBO(従業員による企業買収)により上場廃止となった中堅不動産会社のユニゾホールディングス(株)(横浜市、TSR企業コード: 293391149、以下ユニゾHD)。
社債償還の行方が注目を集めるなか、東京商工リサーチ(TSR)情報部は同社の銀行取引の概要を把握した。


TOB合戦と相次いだ「格下げ」

 ユニゾHDが注目されたのは2019年7月、(株)エイチ・アイ・エス(TSR企業コード: 293391149)が1株3100円でTOB(敵対的買収)を表明したことだった。これに対抗し、紆余曲折の末、一部従業員と米国の投資会社ローン・スターが設立した(株)チトセア投資(TSR企業コード: 133135950)が2020年4月2日、1株6000円でEBOする結果となった。この時の公開買付説明書では、買付代金はローン・スターグループからの借入金1510億円、優先株引受550億円の合計2060億円と記載されている。
以降、JCR(日本格付研究所)は、ユニゾHDの社債格付けを相次いで引き下げた。

2020年4月3日、「BBB+」を「#BBB+ネガティブ」、同年9月10日に「#BBBネガティブ」、同年12月21日に「#BBB-ネガティブ」、そして一週間後の12月28日に「#BB+ネガティブ」と、8ヶ月間に4回引き下げた。一般的に「BB+」以下の社債は、投資不適格と扱われる。
EBOから半年後の10月6日、チトセア投資の商業登記に変化があった。ローン・スターが保有する優先株に関する登記内容が変更されたのだ。金融機関の間では、ローン・スターが保有する株式を、チトセア投資がユニゾHDの資金で買い取ったのでは、と話題になった。
ユニゾHDは2020年2月10日、チトセア投資による一連の動きに関連して関東財務局に「意見表明報告書の訂正報告書」を提出している。
EOBに要した資金調達などの経緯について、TSRの取材にユニゾHDの担当者は、「回答は控えさせて頂く」と具体的な話を拒否した。

2000億円を超える資金移動

 ユニゾHDが2020年12月18日に関東財務局に提出した2020年9月期の半期報告書などによると、資金の流れが推測される記載がある。また、ローン・スターグループからTOB買付代金として調達した2060億円に加え、優先株の買い入れ時に支払ったプレミアムが注目されるが、この点についてもユニゾHDの担当者は回答を拒否した。
2020年3月末で1635億円あった現預金が、2020年9月末の連結財務諸表では550億円に減少している。

迫る「社債償還」

 2020年11月27日の「第1回無担保社債」50億円の償還は乗り切った。だが、2021年5月26日の「第2回無担保社債」で100億円、同年11月29日の「第4回無担保社債」で100億円の合計200億円の償還が迫る。
(注:「第3回無担保社債」の100億円の償還日は2023年5月26日)
金融機関の関係者によると、ここにきて「ユニゾHDから個別に状況説明があった」という。ユニゾHDから金融機関に、何らかの資金調達に関する要請があったことを示唆する。
社債償還とは別に、社債を保有する海外ファンドが会社更生法を申し立てるとの噂も駆け巡っている。TSRの取材では、借入明細にはかつてメインバンクだった銀行名は記載されていない。
2000億円を優に超える借入金を抱えた不動産会社が、相次ぐ社債償還をどう乗り越えるのか。金融機関の担保保全の動きも囁かれるなか、残された時間は少ない。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2021年2月19日号掲載予定「取材の周辺」を再編集)

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ユニゾHDの本社(横浜市、TSR撮影)

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