第2回「東京五輪・パラリンピックに関するアンケート」調査
新型コロナウイルス感染拡大で2021年に開催が延期された東京五輪・パラリンピック。2021年1月に11都府県に再度の緊急事態宣言が発令され、2月には組織委員会の会長辞任劇で世界に話題を振りまき、開催に向けた動きが注目を集めている。
東京商工リサーチは、国内企業を対象に「東京五輪・パラリンピックに関するアンケート調査」を実施した。「予定通りの開催」は7.7%にとどまり、前回調査(2020年7月28日~8月11日)の22.5%から14.8ポイント下落した。
「観客席を間引いて開催」は19.3%(前回18.4%)、「無観客開催」は16.8%(同5.3%)で、条件付き開催を合わせても「2021年の開催」は43.9%(同46.3%)と半数に満たなかった。
一方、「中止」と「開催延期」は合計56.0%(同53.6%)で、前回調査を2.4ポイント上回り、2021年の開催に半数以上が反対している。
- ※本調査は2021年2月1日~2月8日にインターネットによるアンケート調査を実施。有効回答1万1,432社を集計し、分析した。
調査は昨年7月28日~8月11日(公表:8月20日)に続いて2回目。
Q1. 2021年の東京五輪・パラリンピックの開催で望ましい形はどれですか?(択一回答)
「中止・延期」が56.0%
東京五輪・パラリンピック開催で望ましい形として、最も多かったのは「開催延期」の33.0%(1万1,432社中、3,778社)だった。次いで、「中止」が22.9%(2,624社)で、「中止」と「開催延期」を合わせ56.0%が2021年の開催に否定的な見方を示した。
一方、「観客席を間引いて開催」は19.3%(2,211社)、「無観客開催」は16.8%(1,930社)だった。「予定通り開催」は7.7%(889社)にとどまり、前回調査の22.5%から14.8ポイントの大幅ダウンとなった。
企業規模別では、大企業(資本金1億円以上)で、2021年の開催に否定的な見方(中止+開催延期)は52.9%(1,721社中、911社)、中小企業(資本金1億円未満、個人企業など)は56.5%(9,711社中、5,491社)だった。

Q2.東京五輪・パラリンピックが中止や無観客での実施、延期となった場合、貴社の経営にどのような影響がありますか?(択一回答)
「影響はない」が7割超
中止や無観客となった場合の経営への影響を聞いた。1万324社から回答を得た。
最多は「影響はない」の71.1%(7,342社)で7割を超えた。一方、「悪い影響が多い」は26.6%(2,746社)、「良い影響が多い」は2.2%(236社)だった。

Q3.「悪い影響が多い」と回答された方に伺います。どのような影響ですか?(複数回答)
「取引先への影響懸念」が約7割
「悪い影響が多い」と回答した企業のうち、2,743社から回答を得た。
最多は、「取引先の売上に直接的な影響があるため、自社にも間接的な影響がある」の68.5%(1,881社)だった。
「その他」では、「心理的に消極的な行動になりやすい」や「株が下がり景気が冷え込む」、「国内全体の失望感」など景況感の落ち込みを懸念する声が少なくなかった。

今回の調査は、東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長辞任の直前に実施した。国内でワクチン接種は始まっておらず、コロナ収束が不透明な時期のアンケートだが、「2021年の開催」と回答した企業は、「観客席を間引いて開催」や「無観客開催」の条件付きを含めても43.9%と半数に届かなかった。2021年に延期された東京五輪だが、多くの企業が厳しい見方をしていることがわかった。
特に、「予定通り開催」は前回調査から14.8ポイントも下落し、7.7%にとどまった。一方、「無観客開催」は11.5ポイント増の16.8%に達した。すでに予定通りの五輪開催は無理とみている企業が多いことを示唆している。中止や無観客での実施、延期の影響については、71.1%が「影響がない」と回答している。期待とは裏腹に、中止や条件付き開催による経済的な恩恵については、大半の企業が「あきらめ」を織り込んでいるとみられる。
経済的な影響への配慮は必要だが、「予定通り開催」する場合のメリットとデメリットの丁寧な説明も必要な時期に差し掛かっている。
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