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ぐるなび 4-12月は64億円の赤字、飲食店の時短営業や休業が影響

12月賞与の支給を見送り

 飲食店の予約サイトなどを運営する(株)ぐるなび(TSR企業コード:294248340、千代田区、東証1部)は2月3日、2020年4-12月(連結)の売上高が120億4100万円と前年同期比で半減し、純利益は64億8600万円の赤字だったと発表した。新型コロナ第三波による取引先の飲食店の経営悪化の影響で、2021年3月期(連結)の売上高を下方修正した。
 2020年4-12月(連結)の売上高は120億4100万円(前年同期比48.6%減)、営業利益62億5000万円の赤字(前年同期13億9700万円の黒字)、純利益64億8600万円の赤字(同7億9000万円の黒字)だった。
 12月末の総有料加盟店舗数は、9月末から7336店増の5万6805店に拡大した。しかし、11月中旬以降はネット予約が鈍化し、手数料売上高が減少。業務効率化や12月賞与の支給見送りなどを実施したが、第3四半期に「Go To Eatキャンペーン」の運営費用の計上もあり赤字が膨らんだ。
 緊急事態宣言の再発出や期間延長などで飲食店の経営が厳しく、2021年3月期(連結)の業績予想は売上高158億円(前回予想178億円)へ下方修正した。利益は、業務効率化などで前回予想を据え置き、営業利益92億円の赤字、当期純利益95億円の赤字を見込む。
 ぐるなびは、2020年4月の緊急事態宣言の経験を活かし、飲食店に感染予防の取り組みを支援している。また、ぐるなびアプリの強化や顧客基盤の拡大を進め、業績の回復や再成長を目指すという。


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