• TSRデータインサイト

(株)フタバ図書が新会社へ事業譲渡、事業再生ADRを活用

 1月28日、(株)フタバ図書(TSR企業コード:740122053、広島市)はファンドなどが出資する新会社に、3月1日付で事業譲渡すると発表した。事業再生ADR手続きを活用する。

1913年創業の老舗書店。広島県内を中心に関東圏にも店舗を展開する大手書店。CDやDVDなど音楽映像関連、インターネットカフェ、リサイクル事業、未来型書店コンビ二、コインランドリーなどグループと連携しながら多角化を進め、「複合専門書店チェーン」として高い知名度を有している。
積極的に出店などの投資を重ね、2018年3月期には売上高260億円をあげていた。しかし、投資費用を借入金に頼った資金運営で、財務強化が課題だった。2019年6月には、一部店舗で「物流システムのトラブルにより未入荷が発生するなど、全店的に入荷が不安定な状態となっています」との案内を掲げ、顧客や取引先などから注目を集めていた。
3月1日付で(株)ひろしまイノベーション推進機構(TSR企業コード:742209040、広島市)が運営するファンドなどが出資する新会社にフタバ図書とグループ会社の主要事業を譲渡する。新会社は昨年11月に設立されており、資本金は5,000万円。事業譲渡日までに、(株)フタバ図書へ商号を変更する。同推進機構が普通株式ベースで過半数を保有する。もみじ銀行も普通株式を持ち、日本出版販売(株)(TSR企業コード:130976210、千代田区)や(株)広島マツダ(TSR企業コード:740106899、広島市)などは種類株を持つ。
新体制の下、特徴である複合書店モデルを発展させる方針。

フタバ図書

‌フタバ図書の「ご案内」(2019年6月撮影)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「マレリグループ」国内取引先調査 ~国内の取引先2,942社、影響懸念~

経営不振が続いたマレリグループの持株会社マレリホールディングス(株)(TSRコード:022746064、さいたま市北区)が6月11日(日本時間)、米国でチャプター11を申請した。東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースからマレリグループの取引先数(重複除く)は国内2,942社あることがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

2025年1-5月の「労働者派遣業」倒産53件 人材派遣が人手不足で年間最多ペースの可能性

深刻な人手不足が続くなか、 「労働者派遣業」の倒産がハイペースをたどっている。2025年5月の「労働者派遣業」倒産は、3月に並び今年最多の15件(前年同月比400.0%増)発生した。

3

  • TSRデータインサイト

「日産ショック」とマレリ、部品サプライチェーンの再編含み

マレリホールディングス(株)(TSRコード:022746064)と主要子会社は6月11日(日本時間)、チャプター11(連邦破産法第11条)を申請した。東京商工リサーチのデータベースによると、マレリグループの国内取引先は全国2,942社に及ぶ。

4

  • TSRデータインサイト

事前調整に明け暮れたマレリHDが再度破たん ~支援プレイヤーの場外乱闘の果て~

マレリHDを巡っては、準則型私的整理の一種である事業再生ADRでの再建を目指したが、海外金融機関の反対でとん挫し、前年の産業競争力強化法の改正で規定された民事再生の一部手続きを省略する簡易再生へ移行した。

5

  • TSRデータインサイト

(株)ピーエスフードサービス 保育園への食材納品がストップ=納入業者の資金繰り悪化で

保育園などに食材を販売している(株)ピーエスフードサービス(TSRコード:352395583、さいたま市見沼区)は納品が困難になっていることを自社ホームページで公表した。

TOPへ