• TSRデータインサイト

「新型コロナウイルス」関連破たん【12月9日16:00 現在】

 12月9日は16時時点で、「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が7件(倒産7件)判明し、2月からの累計は全国で775件(倒産714件、弁護士一任・準備中61件)となった。

 月別では、103件発生した6月以来、7月は80件、8月は67件と前月を下回ってきたが9月は100件で3カ月ぶりに前月を上回り、以降11月まで3カ月連続で100件を上回った。

 12月は9日までに28件が判明、依然として小・零細規模の息切れが中心となっている。

 なお、集計対象外だが、負債1,000万円未満の小規模倒産は累計37件判明。この結果、負債1,000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計812件に到達した。

 飲食業支援を目的とした「GoToイート」キャンペーンはポイント付与事業が予算額に達成し、終了した。また、感染再拡大を受けて各地で利用自粛要請などが広がりつつある。年末の書き入れ時を前に経営体力の乏しい飲食業者など、消費関連の小・零細企業への影響が懸念される。

 感染拡大防止との難しい舵取りが続くなかで、コロナ関連破たんは引き続き予断を許さない状況が続いている。

【都道府県別】(負債1,000万円以上)~ 京都府で10件目が発生、30件以上が6都道府県 ~

 都道府県別では、東京都が184件(倒産168件、準備中16件)で、全体の2割以上(構成比23.7%)を占め、突出している。以下、大阪府が77件(倒産73件、準備中4件)、兵庫県が37件(倒産33件、準備中4件)、神奈川県35件(倒産30件、準備中5件)、北海道34件(倒産34件)、愛知県33件(倒産32件、準備中1件)と続く。
 9日は東京都と静岡県でそれぞれ2件、茨城県、滋賀県、京都府でそれぞれ1件ずつ判明し、京都府で10件に達した。都道府県別では10~20件未満が12府県、20~30件未満が3県、30件以上は6都道府県に広がっている。

【業種別】(負債1,000万円以上) ~ 飲食業が133件、アパレル関連77件、宿泊業60件 ~

 業種別では、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた飲食業が133件と最多。来店自粛や特定業種への時短営業要請などの影響で、今後の推移に注目が集まる。次いで、百貨店や小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)が77件。このほか、インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響したホテル,旅館の宿泊業は60件に達した。
 以下、工事計画の見直しなど影響を受けた建設業が53件にのぼるほか、飲食業などの不振に引きずられている飲食料品卸売業が37件、食品製造業も28件と多く、飲食業界の不振が影響している。

【負債額別】(負債1,000万円以上)

 負債額が判明した749件の負債額別では、最多が1億円以上5億円未満で282件(構成比37.6%)。次に、1千万円以上5千万円未満236件(同31.5%)、5千万円以上1億円未満121件(同16.1%)、5億円以上10億円未満と10億円以上がそれぞれ55件(同7.3%)の順。
 負債1億円未満が357件(同47.6%)を占める。一方、100億円以上の大型倒産も4件発生しており、小・零細企業から大企業まで経営破たんが広がっている。

【形態別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した714件の形態別では、破産が633件(構成比88.6%)で最多。次いで、民事再生法が38件(同5.3%)、取引停止処分40件(同5.6%)、特別清算3件(同0.4%)と続く。
 「新型コロナ」関連倒産の約9割を消滅型の破産が占め、再建型の民事再生法は1割未満にとどまる。また、9月以降に発生した民事再生8件のうち、5件は個人企業の小規模個人再生によるもの。業績不振が続いていたところに新型コロナのダメージがとどめを刺すかたちで脱落するケースが大半。先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。

【従業員数別】(負債1,000万円以上)

 「新型コロナ」関連破たんのうち、従業員数(正社員)が判明した721件の従業員数の合計は1万2,216人にのぼった。
 721件の内訳では従業員5人未満が347件(構成比48.1%)と、半数近くを占めた。次いで、5人以上10人未満が143件(同19.8%)、10人以上20人未満が117件(同16.2%)と続き、従業員数が少ない小規模事業者に、新型コロナ破たんが集中している。
 従業員50名以上の破たんは8月以降、月間2件以下の発生にとどまり、小規模化が顕著となっている。

※ 企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものなどを集計している。
※ 東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。


日本地図1209①

‌                      

日本地図1209②

‌                      

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2024年度「人手不足倒産予備軍」  ~ 今後は「人材採用力」の強化が事業継続のカギ ~

賃上げ圧力も増すなか他社との待遇格差で十分な人材確保ができなかった企業、価格転嫁が賃上げに追い付かず、資金繰りが限界に達した企業が事業断念に追い込まれている。  こうした状況下で「人手不足」で倒産リスクが高まった企業を東京商工リサーチと日本経済新聞が共同で分析した。

2

  • TSRデータインサイト

2025年1-11月の「人手不足」倒産 359件 サービス業他を主体に、年間400件に迫る

深刻さを増す人手不足が、倒産のトリガーになりつつある。2025年11月の「人手不足」倒産は34件(前年同月比70.0%増)と大幅に上昇、6カ月連続で前年同月を上回った。1-11月累計は359件(前年同期比34.4%増)と過去最多を更新し、400件も視野に入ってきた。

3

  • TSRデータインサイト

【社長が事業をやめる時】 ~消えるクリーニング店、コスト高で途絶えた白い蒸気~

厚生労働省によると、全国のクリーニング店は2023年度で7万670店、2004年度以降の20年間で5割以上減少した。 この現実を突きつけられるようなクリーニング店の倒産を聞きつけ、現地へ向かった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年1-11月の「税金滞納」倒産は147件 資本金1千万円未満の小・零細企業が約6割

2025年11月の「税金(社会保険料を含む)滞納」倒産は10件(前年同月比9.0%減)で、3カ月連続で前年同月を下回った。1-11月累計は147件(前年同期比11.9%減)で、この10年間では2024年の167件に次ぐ2番目の高水準で推移している。

5

  • TSRデータインサイト

地場スーパー倒産 前年同期の1.5倍に大幅増 地域密着型も値上げやコスト上昇に勝てず

2025年1-11月の「地場スーパー」の倒産が22件(前年同期比46.6%増)と、前年同期の約1.5倍で、すでに前年の年間件数(18件)を超えた。

TOPへ