• TSRデータインサイト

元「Zaif」運営のテックビューロ 暗号資産交換業を廃止へ、登録業者で初

 テックビューロ(株)(TSR企業コード:576983667、大阪府)が暗号資産(仮想通貨)交換業の全部を12月17日、廃止すると発表した。11月1日現在、テックビューロ含めて暗号資産交換業者は26業者が登録している。近畿財務局によると、登録業者(みなし業者除く)の廃止は初のケースになる見通しだ。
11月17日、テックニューロが資金決済に関する法律の規定で廃止を公告した。テックビューロは2019年8月22日、暗号資産交換業を廃業予定と公表していたが、初めて時期を明らかにした。
テックビューロが運営していた暗号資産取引所「Zaif(ザイフ)」は、2018年11月に投資支援サービスなどを手がける(株)フィスコ(TSR企業コード:293061823)のグループ会社に譲渡したためテックビューロは現在、暗号資産交換業の事業は行っていない。
テックビューロは、2018年9月に約70億円の暗号資産が流出したほか、金融庁から3度の業務改善命令を受けていた。「Zaif」譲渡後は、仮想通貨交換業の登録の返上に向け、事業譲渡先への契約承継、承継を承諾しなかった顧客への返金を進めていた。また、返金手続きで連絡が取れなかった顧客には、残金を各地の法務局に供託していた。
テックビューロの公告によると、「資金決済に関する法律第六十三条の二十第五項に規定する暗号資産交換業として行う暗号資産の交換等に関し負担する債務の履行の完了及び当該暗号資産交換業に関し管理する利用者の財産の返還又は利用者への移転を完了するとともに、返還又は移転に至らなかった利用者の財産については、債務履行地を管轄する法務局への供託手続を完了」しているという。

テックビューロが送付した法務局へ供託手続きの書類(TSR撮影)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

ハンバーガー店の倒産、最多更新 ~ 材料高騰、大手と高級店の狭間で模索 ~

年齢を問わず人気のハンバーガー店が苦境だ。2024年は1件だった倒産が、2025年は8月までに7件に達し、過去最多の2014年の年間6件を上回った。

2

  • TSRデータインサイト

2025年「全国のメインバンク」調査 ~GMOあおぞらネット銀行 メイン社数の増加率2年連続トップ~

「2025年全国企業のメインバンク調査」で、GMOあおぞらネット銀行が取引先のメインバンク社数の増加率(対象:500社以上)が2年連続でトップとなった。

3

  • TSRデータインサイト

タクシー業界 売上増でも3割が赤字 人件費・燃料費の高騰で二極化鮮明

コロナ禍を経て、タクシー業界が活況を取り戻している。全国の主なタクシー会社680社の2024年度業績は、売上高3,589億5,400万円(前期比10.6%増) 、利益83億3,700万円(同11.1%増)で、増収増益をたどっている。

4

  • TSRデータインサイト

「葬儀業」は老舗ブランドと新興勢力で二極化 家族葬など新たな潮流を契機に、群雄割拠

全国の主な葬儀会社505社は、ブランド力の高い老舗企業を中心に、売上高を堅調に伸ばしていることがわかった。 ただ、新たに設立された法人数が、休廃業・解散や倒産を上回り、市場は厳しい競争が繰り広げられている。

5

  • TSRデータインサイト

2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査

全国160万5,166社の“メインバンク”は、三菱UFJ銀行(12万7,264社)が13年連続トップだった。2位は三井住友銀行(10万1,697社)、3位はみずほ銀行(8万840社)で、メガバンク3行が上位を占めた。

TOPへ