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すかいらーくHD 再上場後、初めての赤字転落へ、200店の閉店も計画

 ファミリーレストラン「ガスト」「バーミヤン」「ジョナサン」などを展開する(株)すかいらーくホールディングス(TSR企業コード:298648857、武蔵野市、東証1部)は11月12日、2020年12月期(連結)の純利益が150億円の赤字になりそうだと発表した。新型コロナの影響重く、2014年の再上場後、初の純利益が赤字になる見通しだ。

同日、2021年末までに不採算店舗など約200店を閉店することも発表した。

すかいらーくHDの2020年12月期(連結)の業績予想は、売上高2,930億円(前年比21.9%減)、営業利益200億円の赤字(前年205億6,200万円の黒字)、純利益150億円の赤字(同94億8,700万円の黒字)と減収赤字転落を見込む。

とくに第2四半期(4-6月)はリモートワークなどで都心エリアの落ち込みが大きかった。テイクアウトの強化や「Go To Eat」キャンペーンを実施し、収益改善を目指す。

同日発表した2020年1-9月(連結)は売上高2,135億6,300万円(前年同期比25.1%減)、営業利益211億4,300万円の赤字(前年同期199億9,500万円の黒字)、純利益146億2,400万円の赤字(同105億1,200万円の黒字)だった。

すかいらーくHDによると、「現時点での2021年の見通しは、売上高3,100億円~3,200億円、営業利益100億円前後」を見込む。

すかいらーくHDは、約2,800店で年末年始の営業時間を短縮する予定だ。ガストやバーミヤンなどは、大晦日18時閉店、元旦は11時~21時営業を計画している。従業員のワークライフバランスを重視しているほか、新型コロナによる深夜時間帯のニーズが減少する見込みのためという。

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すかいらーくHDが展開するガスト(TSR撮影)

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