• TSRデータインサイト

格安航空のエアアジア・ジャパン、事業停止を発表

 格安航空(LCC)のエアアジア・ジャパン(株)(TSR企業コード:403206154、愛知県常滑市)は10月5日、事業を停止すると発表した。同日、国土交通省に12月5日をもって全線を廃止することを届け出た。エアアジア・ジャパンは今後について、「事業の廃止に伴う債権債務や契約関係の処理は、適時、関係各社に連絡する」としている。
 国内の航空会社で、新型コロナウイルス関連による事業停止は初めて。
 エアアジア・ジャパンは2011年11月、当時の全日本空輸(株)(現:ANAホールディングス(株)、TSR企業コード:290096677、東京都港区)と、マレーシアのエアアジアの共同出資で設立された。だが、経営不振から抜け出せず、全日本空輸との提携を解消。
 改めて、エアアジアが日本再進出を計画し、(株)楽天(TSR企業コード:294045082、世田谷区)や(株)ノエビアホールディングス(TSR企業コード:662279069、神戸市中央区)、(株)アルペン(TSR企業コード:400429110、名古屋市中区)などの出資を得て、2014年3月に当社が設立され、再出発した。
 当初、中部国際空港-新千歳空港便を就航し、その後、国際線の中部国際空港-台湾桃園国際空港便、国内では中部国際空港-仙台国際空港便を就航していた。
 ところが、新型コロナ感染拡大で4月から全便が運休に追い込まれ、8月に新規就航の福岡空港便などの一部国内線運行を再開したが、需要は回復せず、10月1日から同24日までの全便運休を発表。この間、売上の落ち込みや払い戻し費用などが嵩み、資金的に苦しい状況が続いた。
 9月30日、東京商工リサーチ(TSR)の取材に対し、エアアジア・ジャパンの担当者は「予約の払い戻し(リファンド)がまだ残っている」と説明していた。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

長渕剛さんの個人事務所、イベント会社に破産申立

歌手の長渕剛さんが代表を務める(株)オフィスレン(TSRコード:295731311、渋谷区)が、イベント運営を委託していた会社を相手取り、東京地裁に破産を申し立てたことが東京商工リサーチ(TSR)の取材で判明した。

2

  • TSRデータインサイト

破産開始のサクライ、「ここ10年は債務超過だったのかもしれない」

7月30日に東京地裁より破産開始決定を受けた(株)サクライ(TSRコード:290060095、東京都、製菓材料販売)の実態バランスシートは、長年に渡って極めて厳しい状況だったことが東京商工リサーチ(TSR)の取材で判明した。

3

  • TSRデータインサイト

私立大学の経営、売上トップは(学)順天堂 赤字企業率5割に迫る、損益は地域格差が鮮明に

私立大学を経営する全国の543法人のうち、約半数の253法人が2024年決算で赤字だった。赤字企業率は46.5%にのぼり、前期(40.8%)から5.7ポイント上昇し、5割に迫った。

4

  • TSRデータインサイト

2025年7月の「人手不足」倒産 過去最多の41件 「従業員退職」が1.8倍増、採用も退職も有効打なし

2025年7月の「人手不足」が一因の倒産は、7月では過去最多の41件(前年同月比24.2%増)だった。1-7月累計は213件(前年同期比18.9%増)に達し、年間で初めて300件を超す可能性も出ている。

5

  • TSRデータインサイト

2025年1-7月「酪農業」の倒産が過去最多 飼料価格、人件費の高騰で収益追い付かず

2025年1-7月の「酪農業」の倒産が10件(前年同期比233.3%増)に急増し、集計を開始した2006年以降、最多を更新したことがわかった。すでに年間最多だった2024年を抜いている。

TOPへ