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2019年「電力事業者」の新設法人調査

 2019年(1-12月)に新しく設立された法人 (以下、新設法人)13万1,292社(前年比1.7%増)のうち、電力事業者は1,433社(同17.9%減)で2年連続で前年を下回った。固定買取価格の段階的な値下げから電力事業者の新設数は減少傾向が鮮明になってきた。
 1,433社のなかで、「太陽光」または「ソーラー」を利用エネルギーとする新設法人は852社(同22.8%減)、「風力」も162社(同23.2%減)と、それぞれ2割以上減った。また、「バイオ」は69社(同38.9%減)と約4割減少し、電力事業者の新設ブームは終焉を迎えつつある。
 「固定価格買取制度」(FIT)の導入は、電力事業者の参入を促す一つのきっかけとなり、2014年には年間3,000社以上の新設法人が誕生した。過少資本や計画性に欠ける小・零細事業者の参入も相次ぎ、新設法人の増加とともに倒産件数も増加をたどった。だが、ここに来て新設法人が減少し、過当競争は緩和に転じつつある。今後は、長期的な視野と競争力を備えた電力事業者の参入と育成が求められる。

  • ※本調査は、東京商工リサーチの企業データベース(対象370万社)から、2019年に新しく設立された法人データのうち、日本標準産業分類に基づく中分類から「電気業」を抽出し、分析した。

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資本金別 「1百万円未満」が約半数

 資本金別では、1百万円未満が709社(構成比49.4%)と全体の約半数を占めた。「1千万円未満」(その他除く)は1,301社で9割(同90.7%)を超え、小規模法人の新設が大勢を占めた。

法人格別 「合同会社」が6割

 法人格別では、合同会社が912社(構成比63.6%、前年比12.9%減)で最多。合同会社は電力事業を担う企業のグループ会社として複数設立されるケースが目立ち、全体の6割を占めた。
 次いで、株式会社が485社(同33.8%、同25.6%減)、一般社団法人が29社(同2.0%、同19.4%減)、有限責任事業組合7社(同0.4%、同12.5%減)と続く。
 2019年の新設法人の法人格は4法人格に限定され、すべてが前年を割り込んだ。


 「固定価格買取制度」(FIT)が導入された2012年以降、再生可能エネルギーを用いた電力事業者の新設が急増した。これに伴い日本の電源構成比率は変化している。資源エネルギー庁(2020年4月発表)によると、東日本大震災発生以降、「原子力」が低減する一方で、再エネ発電比率が上昇し、特に「太陽光」は2010年度の0.3%から2018年度は5.9%まで高まった。
 「太陽光発電」関連事業者の倒産件数は、2019年に72件(前年比14.2%減)、2020年(1-8月)は49件(前年同期比6.5%増)で、ピークの2017年(87件)から大幅に減少傾向に転じ、採算を確保できない事業者の淘汰が進んでいる。新型コロナ感染拡大で、本体の業績が悪化した企業も少なくなく、安定収入の基盤を築いた電力事業者が見直されるかもしれない。
 2022年4月、再エネ特措法の改正により、市場価格に補助を上乗せする「FIP制度」の導入や未稼働案件の解消が加速する可能性も出てきた。電力事業への参入ブームが沈静化した今、効率的で安定した電力供給に向け、健全な競争と長期的な事業としての見通しを持つ企業の参入支援が求められる。

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