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上場企業「新型コロナウイルス影響」調査 (7月8日時点)

 新型コロナウイルス感染者数はここにきて再拡大の兆しを見せている。県境をまたぐ移動自粛や特定業種の休業要請も解除されたが、第2波ともいえる感染拡大で難しい舵取りが続く。
 一方、コロナ関連倒産は7月8日時点で317件に達し、増勢を強めている。一刻も早い消費の回復が求められるとともに、「新しい生活様式」への早急な対応も企業活動の新たな課題として浮上している。
 7月8日までに、新型コロナの影響や対応などを情報開示した上場企業は3,483社に達した。これは全上場企業3,789社の91.9%を占めている。業績の下方修正は941社で、上場企業の4分の1(構成比24.8%)に達し、このうち262社が赤字だった。
 下方修正額のマイナス分は合計で、売上高が6兆6,582億円、利益も4兆1,129億円にのぼった。
 2020年3月期決算は2,403社のうち、2,386社(99.2%)が決算短信を発表、未発表は17社となった。2020年3月期決算は、約6割(58.6%)の企業が減益となり、新型コロナで利益が押し下げられた。次期(2021年3月期)の業績予想は、「未定」とした企業が6割(59.8%)に達した。

  • 本調査は、2020年1月23日から新型コロナの影響や対応など全上場企業の適時開示、HP上の「お知らせ」等を集計した。
    「影響はない」、「影響は軽微」など、業績に影響のない企業は除外。また、「新型コロナウイルス」の字句記載はあっても、直接的な影響を受けていないことを開示したケースも除外した。前回発表は7月2日(7月1日時点)。

ファミリーマート 今期の営業収益を1割下方修正、TOBで伊藤忠商事が完全子会社化

 情報開示した3,483社のうち、決算短信や月次売上報告、業績予想の修正などで新型コロナによる業績の下振れ影響に言及したのは1,625社だった。一方、「影響の懸念がある」、「影響を精査中」、「影響確定は困難で織り込んでいない」などの開示は1,229社だった。
 下振れ影響を公表した1,625社のうち、941社が売上高や利益の減少などの業績予想、従来予想と実績との差異などで業績を下方修正した。業績の下方修正額のマイナスは合計で、売上高が6兆6,582億円、最終利益が4兆1,129億円に達した。

 コンビニ大手の(株)ファミリーマート(東証1部)は7月8日、2021年2月期決算の業績予想を修正した。新型コロナの影響を受け、特に都心部のオフィス街や観光地での店舗の売上が減少したとして、同期の営業収益を従来予想より590億円(減少率▲11.4%)引き下げた。日商回復施策として宣伝販促費の積み増しを行うことで販管費の増加を見込んでいるとした。また同日、筆頭株主の伊藤忠商事(株)(東証1部)は、TOB(株主公開買い付け)を通じ、ファミリーマートを完全子会社すると発表した。

業績下方修正額の推移(累計)

2020年3月期決算、未公表は2,403社中17社

【2020年3月期決算】
 7月8日までに、2020年3月期決算の上場企業2,386社(3月期決算の上場企業の99.2%)が決算短信を公表した。決算作業や監査業務の遅延などを理由に、17社が未公表となっている。
 決算発表した2,386社のうち、最多は「減収減益」で897社(構成比37.5%)。次いで、「増収増益」が701社(同29.3%)だった。
 増収企業(1,204社、50.4%)と減収企業(1,182社、49.5%)は拮抗したが、利益面では減益企業(1,400社、58.6%)が増益企業(986社、41.3%)を17.3ポイント上回った。
 人件費などのコストアップと、新型コロナの影響を受けた減損や繰延税金資産の取り崩しによる損失計上が利益の下振れを加速させた。

【2021年3月期決算見通し】
 次期(2021年3月期)の業績予想は、2,386社のうち、約6割の1,428社(構成比59.8%)が、「未定」として開示していない。新型コロナによる経営環境の激変で、業績予想の見通しが立たず、算定が困難としている。一方、次期の業績予想を開示した958社のうち、最多は「減収減益」の404社で、約4割(42.1%)を占め、今期の厳しい経営環境を予想している。

2021年3月期決算見通し

10年ぶりのハイペースが続く「早期・希望退職」、8社がコロナ影響を要因

 2020年上半期(1-6月)に早期・希望退職者募集を実施した上場企業は41社(延べ43社)で、すでに2019年1年間の件数(35社)を6社上回った。
 「早期・希望退職」の募集は2019年同期比(18社)では2.2倍増と急増。上半期(1-6月)で40社を超えたのは、リーマン・ショック後の2010年同期(66社)以来、10年ぶりのハイペースとなっている。
 41社のうち、「新型コロナウイルス」感染拡大の影響を要因にあげ、早期・希望退職者を募集や実施した企業は小売や旅行関連などで8社にのぼり、社数を押し上げた。
 募集人数の最多はラオックス(株)(東証2部)で2回実施の合計は390人。訪日客向けの小売に特化し、インバウンド需要を取り込んでいたが2月以降は経営環境が一転。大規模な人員削減に踏み切った。

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