• TSRデータインサイト

6月のコロナ破たん、全国で100件に【6月30日 正午時点】

 6月に判明した「新型コロナウイルス」関連の経営破たんが、6月30日正午時点で全国で100件(倒産65件、弁護士一任・準備中35件)に達した。
コロナ関連破たんは2月2件、3月22件から4月は84件に急増、5月も83件と同水準で発生した。
6月は23日に85件に達し、4月を上回り月別では最多を更新。その後も断続的に発生し、30日に月間100件に達した。

  • 企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
  • 原則「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものを集計。
  • 東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。

「新型コロナウイルス」関連倒産 6月単月状況


【都道府県別】 ~ 東京都が全体の4分の1 ~
都道府県別では、30都道府県で発生し、17府県が発生ゼロだった。東京都が26件(倒産19件、準備中7件)と最多で全体の4分の1を占めた。以下、大都市圏の大阪府の9件(同7件、同2件)、愛知県の7件(同6件、同1件)までが5件以上の発生。1件以上5件未満は27県だった。

【業種別】 ~ 最多は飲食業の16件 ~
最多は緊急事態宣言の発令で来店客の減少、休業要請などが影響した飲食業が16件。次いで、百貨店や小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)が12件、結婚式場や葬祭業などを含む生活関連サービス業,娯楽業の11件と、個人消費に関連する業種が目立った。

【負債額別】 ~ 小規模倒産が大半を占める ~
現時点で負債額が判明している57社のうち、最大は北海観光(有)(三重県、ホテル経営、破産)の46億8,800万円。負債額10億円以上は1社のみで、以下、5億円以上10億円未満が4社、1億円以上5億円未満が22件、1億円未満が30件と続き、小・零細企業の破たんが多数を占めた。

都道府県別破たん状況 6月単月


6月1日に事業者への休業要請は大幅に緩和されたが、経営破たんは月を通して増加を辿った。企業が毀損した収益を回復するまでには時間が掛かるうえ、同時に「新しい生活様式」への対応も求められている。こうしたなかで、感染者数は再び増加の兆しを見せ、企業活動への不透明感が漂っている。
また、集計対象外だが負債1,000万円未満の小・零細企業・商店の倒産が6月は1件発生した。水面下では、制度融資や支援策などを活用しないままに休業状態に陥ったケースも増加している。これらが廃業や会社整理を決断すれば、今後倒産となって顕在化することも危惧され、7月以降の「コロナ関連破たん」の動向にも注目が集まる。

都道府県別破たん状況 6月単月

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

ハンバーガー店の倒産、最多更新 ~ 材料高騰、大手と高級店の狭間で模索 ~

年齢を問わず人気のハンバーガー店が苦境だ。2024年は1件だった倒産が、2025年は8月までに7件に達し、過去最多の2014年の年間6件を上回った。

2

  • TSRデータインサイト

2025年「全国のメインバンク」調査 ~GMOあおぞらネット銀行 メイン社数の増加率2年連続トップ~

「2025年全国企業のメインバンク調査」で、GMOあおぞらネット銀行が取引先のメインバンク社数の増加率(対象:500社以上)が2年連続でトップとなった。

3

  • TSRデータインサイト

タクシー業界 売上増でも3割が赤字 人件費・燃料費の高騰で二極化鮮明

コロナ禍を経て、タクシー業界が活況を取り戻している。全国の主なタクシー会社680社の2024年度業績は、売上高3,589億5,400万円(前期比10.6%増) 、利益83億3,700万円(同11.1%増)で、増収増益をたどっている。

4

  • TSRデータインサイト

「葬儀業」は老舗ブランドと新興勢力で二極化 家族葬など新たな潮流を契機に、群雄割拠

全国の主な葬儀会社505社は、ブランド力の高い老舗企業を中心に、売上高を堅調に伸ばしていることがわかった。 ただ、新たに設立された法人数が、休廃業・解散や倒産を上回り、市場は厳しい競争が繰り広げられている。

5

  • TSRデータインサイト

2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査

全国160万5,166社の“メインバンク”は、三菱UFJ銀行(12万7,264社)が13年連続トップだった。2位は三井住友銀行(10万1,697社)、3位はみずほ銀行(8万840社)で、メガバンク3行が上位を占めた。

TOPへ