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上場企業「新型コロナウイルス影響」調査 (6月17日時点)

 新型コロナウイルス感染者数は一進一退を繰り返すが、6月19日には県境をまたぐ移動自粛や一部業種で継続してきた休業要請も解除される見込みとなった。
 東京商工リサーチのアンケート調査では、「新しい生活様式」が「業績にマイナス」が4割超に達するなど、アフターコロナでの新たな課題も浮上している。
 6月17日までに、新型コロナの影響や対応などを情報開示した上場企業は3,401社に達した。
これは全上場企業3,789社の89.7%を占めている。業績の下方修正は883社で、上場企業の約2割(23.3%)に達し、このうち241社が赤字だった。
 下方修正額のマイナス分は合計で、売上高が6兆2,193億円、利益も4兆547億円にのぼった。
 2020年3月期決算は2,406社のうち、2,365社(98.2%)が決算短信を発表、未発表は41社となった。2020年3月期決算は、約6割(58.7%)の企業が減益となり、新型コロナで利益が押し下げられた。次期(2021年3月期)の業績予想は、「未定」とした企業が6割(59.7%)に達した。

  • ※本調査は、2020年1月23日から新型コロナの影響や対応など全上場企業の適時開示、HP上の「お知らせ」等を集計した。
  • ※ 「影響はない」、「影響は軽微」など、業績に影響のない企業は除外。また、「新型コロナウイルス」の字句記載はあっても、直接的な影響を受けていないことを開示したケースも除外した。前回発表は6月11日(6月10日時点)。

サンリオ インバウント消失やテーマパーク休園が響き利益が9割減

 情報開示した3,401社のうち、決算短信や月次売上報告、業績予想の修正などで新型コロナによる業績の下振れ影響に言及したのは1,533社だった。一方、「影響の懸念がある」、「影響を精査中」、「影響確定は困難で織り込んでいない」などの開示は1,233社だった。
 下振れ影響を公表した1,533社のうち、883社が売上高や利益の減少などの業績予想、従来予想と実績との差異などで業績を下方修正した。業績の下方修正額のマイナスは合計で、売上高が6兆2,193億円、最終利益が4兆547億円に達した。
 キャラクター商品企画・販売の(株)サンリオ(東証1部)は6月12日、2020年3月期決算での業績予想値と実績値との差異を発表した。売上高は従来予想より24億3,800万円減少、最終利益は赤字は免れたが、従来予想より91.7%減の21億800万円マイナスの1億9,100万円で着地した。
 2月以降、海外旅行客の減少や外出、イベント自粛で集客や売上の減少が続いたほか、長期に渡って臨時休園が続くテーマパーク事業(サンリオピューロランド、ハーモニーランド)にかかる損失が影響した。

業績下方修正額の推移0617

決算発表の延期、上場企業の2割が公表

 新型コロナウイルスの影響・対応を分類すると、業績への下振れ影響は1,533社と、上場企業(3,789社)の4割(40.4%)に達した。
 店舗・拠点の休業、サービス停止を開示したのは287社だが、緊急事態宣言の解除、営業自粛要請の緩和などで営業再開を宣言し、通常営業へと戻りつつある。
 一方、決算発表の延期は737社と上場企業の2割(19.4%)に達する。3月期決算の発表はピークを過ぎたが、その後の決算期でも決算発表の延期を公表する企業が相次いでおり、コロナ禍での決算作業の遅れによる混乱が当面続きそうだ。
 一方、その他(979社)のうち、新型コロナウイルスの影響がプラス効果になっていると公表したのは174社で、全上場企業の4.5%にとどまった。

2020年3月期決算、未公表は2,406社中41社

【2020年3月期決算】
 6月17日までに、2020年3月期決算の上場企業2,365社(3月期決算の上場企業の98.2%)が決算短信を公表した。決算作業や監査業務の遅延などを理由に、41社が未公表となっている。
 決算発表した2,365社のうち、最多は「減収減益」で889社(構成比37.5%)。次いで、「増収増益」が697社(同29.4%)だった。
 増収企業(1,197社、50.6%)と減収企業(1,168社、49.3%)は拮抗したが、利益面では減益企業(1,389社、58.7%)が増益企業(976社、41.2%)を17.5ポイント上回った。
 人件費などのコストアップに加え、新型コロナの影響を受けて減損や繰延税金資産の取り崩しによる損失計上が利益の下振れ要因となった。

【2021年3月期決算見通し】
 次期(2021年3月期)の業績予想は、2,365社のうち、約6割の1,412社(構成比59.7%)が、「未定」として開示していない。新型コロナによる経営環境の激変で、業績予想の見通しが立たず、算定が困難としている。一方、次期の業績予想を開示した953社のうち、最多は「減収減益」の402社で、約4割(42.1%)を占め、厳しい収益環境を予想している。

2021年3月期 業績予想0617

2020年3月期決算 コロナ影響によるGC・重要事象が22社

 2020年3月期決算は新型コロナウイルスの影響から決算作業に遅延が生じ、多くの企業で東証が定める「45日ルール」に間に合わない異例の事態となっている。
 2020年3月期決算を発表した企業のうち、決算短信に「継続企業の前提に関する注記」(ゴーイング・コンサーン注記、GC)や、GCに至らないまでも事業継続に重要な疑義を生じさせる事象がある場合に記載する「継続企業に関する重要事象」(以下、重要事象)を記載した総数は合計70社(GC20社、重要事象50社)確認され、中間決算時の55社から大幅に増加した。
 70社のうち、記載理由の要因として22社が「新型コロナウイルス」による影響をあげており、社数を押しあげた。
 なお、中間決算でGCや重要事象を記載した企業のうち、再建策に注目集まる(株)ジャパンディスプレイ(東証1部)など9社が、未だ3月期本決算を開示していないため、3月期決算のGC・重要事象企業はさらに増える見通しとなっている。

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