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【6月8日11:00 現在】 「新型コロナウイルス」関連破たん状況

 6月8日午前11時までに判明した「新型コロナウイルス」関連の経営破たんは、全国で221件(倒産158件、弁護士一任や法的準備中63件)に達した。
 経営破たんは、2月は2件、3月は23件だったが、4月は84件に急増。5月も83件と高水準を持続し、6月は8日までに29件判明した。
 都道府県別では、42都道府県で発生。空白県は、福井、和歌山、鳥取、高知、長崎の5県。
 件数は、東京が48件(倒産43件、準備中5件)で最多。次いで、大阪20件(同13件、同7件)、北海道17件(同14件、同3件)、静岡11件(同7件、同4件)、兵庫10件(同4件、同6件)で、5都道府県が10件以上。
 経営破たんした221件のうち、従業員数が判明した210件の従業員数は、東証1部上場のレナウンの539人など合計7,942人に達した。

 業種別では、宿泊業が35件、飲食業が34件で突出している。宿泊業は、インバウンド需要消失や旅行・出張の自粛が影響した。飲食業は、緊急事態宣言の発令で外出自粛による来店客の減少、休業要請や臨時休業で4月12件、5月15件、6月も4件が判明した。また、アパレル関連も27件など、個人消費関連の業種が上位に並ぶ。
 この他、臨時休校やイベント自粛で食品製造業17件のほか、3密を避けた影響では結婚式場4件、葬祭業3件、美容院4件、教室閉鎖に追い込まれた音楽教室1件が判明。休業要請を受けながらの営業が問題になったパチンコホールも3件判明するなど、業種は多岐にわたっている。
 もともと人手不足や消費増税、暖冬などで経営が厳しかった企業が大半だが、新型コロナ感染拡大による想定外の急激な売上激減で資金繰りに行き詰まったケースが多い。
 集計対象外だが、負債1,000万円未満の倒産は、6月8日までに3件発生。ただ、休業した企業や商店が制度融資や支援策などを活用せず、そのまま廃業や倒産を決断するケースも出ている。
 また、新型コロナの影響で閉院に追い込まれ、再開見通しが立たない内視鏡専門クリニックもある。経営破たんは、顕在化した数字だけでなく、水面下の動きにも注目を怠れない。
 緊急事態宣言の解除で、休業要請が大幅に緩和された。だが、新型コロナ感染防止のため制限も多く、消えた売上がコロナ前の水準に戻るには相当の時間が必要だ。「新しい生活様式」は、収益構造が低調な中小企業にビジネスモデルの見直しを迫るが、対応は遅れている。
 資金繰り支援は、ようやく企業に届き始めばかりで、まだ全体には行き渡っていない。5月の倒産全体は減少した。だが、経営体力が限界に近づいた中小・零細企業は日々、増え続けており、寄り添った支援を急がないと経営破たんへのタイムリミットが目前に迫っている。

  • 企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
  • 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものを集計している。
  • 東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。

「新型コロナウイルス」関連 都道府県別破たん状況

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