• TSRデータインサイト

世紀東急、「配当性向100%」などの株主提案に反対表明

 道路舗装工事の世紀東急工業(株)(TSR企業コード: 290095905、東証1部、以下世紀東急)は5月11日、株主である(株)ストラテジックキャピタル(TSR企業コード: 294772090、以下SC社)などから6月開催予定の定時株主総会で議案として取り上げることを求められていた株主提案(資本コストの開示に係る定款変更など)に関し、反対意見を表明した。

「配当性向100%」提案も

 SC社などは今年4月、世紀東急の資本政策で自己資本利益率(ROE)の低下が見込まれることや、独占禁止法違反による処分を受けて株価が解散価値を下回る水準まで下落したとして、世紀東急の経営陣に対し、資本コストを的確に把握することを求めている。これに伴い、世紀東急の定款を変更し、資本コストの開示に係る章および条文の新設を提案している。
 SC社などは、世紀東急が自己資本を増加させることで将来的にROEが低下する可能性を指摘。株主価値と株価の向上につなげるため、余剰資金を処分して株主に還元するべきとして、会社提案の1株当たり配当金がいくらであっても当期純利益すべてを配当する、いわゆる「配当性向100%」を提案している。
 世紀東急はこれらの株主提案に対し、「従前から資本コストの把握に努めている。株主提案の内容は定款に定めるのになじまない」と反論。また、「当期純利益すべてを配当にするという提案も短期的な視点に立脚したもので、結果として株主の利益を棄損するおそれがある」として反対する意向を表明した。

東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2020年6月4日号掲載予定「WeeklyTopics」を再編集)

※2020年6月の株主総会で株主から株主提案が行われている上場企業のリストも掲載予定

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

破産の全東信、20年前から粉飾決算か=600億円超の債務超過のおそれ

決済代行を手掛けていた(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪市中央区)の破産劇の裏側がわかってきた。東京商工リサーチ(TSR)の取材で、業績悪化を隠すために、多額の預金の架空計上に手を染めていた実態がみえてきた。

2

  • TSRデータインサイト

全東信の破産、焦付不可避と機会損失 ~外食団体、「セーフティネット保証1号」適用を要請~

クレジットカード決済代行を手掛けていた(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪市中央区)の破産の余波が広がっている。7月6日に負債1,259億円(2025年3月期決算時点)を抱え、大阪地裁から破産開始決定を受けて以降、取引金融機関が取り立て不能等を次々と開示している。

3

  • TSRデータインサイト

全東信の粉飾、資本と営業権と不動産から読み解く

大手決済代行の(株)全東信の粉飾は見抜けたのか。破産したいま、過去の決算書を基に違和感を指摘するのは難しくない。預金残高の水増しや債権の架空計上など、全東信はありきたりの手口に手を染めていた。

4

  • TSRデータインサイト

準自己破産の全東信、近畿産業信組が219億円貸出

大手決済代行の(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪府)の資金調達先が東京商工リサーチ(TSR)の取材で判明した。

5

  • TSRデータインサイト

止まらない建設業の倒産、職別工事が総合工事を抜く ~ 施工力が「希少資源」、動き始めた内製化 ~

2025年の建設業の倒産は、2,014件(前年比4.6%増)で、4年連続で前年を上回り、2013年(2,421件)以来、12年ぶりに2,000件を超えた。 コロナ禍の2021年に1,065件と2000年以降では最少を記録。その後は増勢に転じ、わずか4年で約2倍に増加した。

TOPへ