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ペッパーフードサービス、新型コロナの影響で個人から20億円の資金を調達

 「いきなり!ステーキ」などを展開する(株)ペッパーフードサービス(TSR企業コード: 292855524、墨田区、東証1部、ペッパーFS)は6月1日、20億円の資金を調達すると発表した。
借入先は、主要仕入先・株主でもある東証1部の(株)エスフーズ(TSR企業コード:570097827、兵庫県西宮市)の代表取締役の村上真之助氏。借入実行日は6月1日で、返済期日は7月31日を予定し、有担保、無保証。 ペッパーFSは、ペッパーランチ事業を分割で新設した(株)JP(同所)に承継し6月1日、新会社が運営をスタートした。ペッパーFSが分離したJPの株式を100%保有し、意思決定の迅速化や機動的な事業運営・資金調達を進めていくとしている。
ペッパーFSの担当者は、新型コロナウイルスの感染拡大で休業した店舗の再開について、「緊急事態宣言が解除されたので、随時、休業していた店舗が動き出した。直営店は、ほぼオープンしたのではないか」とコメントした。
分割前のペッパーランチ事業の2019年12月期の売上高は80億7,400万円で、ペッパーFSからJPに分割する2019年12月末時点の帳簿価格上の資産は15億7,800万円、負債は3億6,700万円という。
ペッパーFSは3月25日、新型コロナの影響で売上高に及ぼす影響が見通せないことなどから、GC注記(継続企業の前提に関する注記)を記載した。4月30日、2020年12月期第1四半期(1~3月)の決算発表の延期を公表したが、発表日は依然未定としている。担当者は「作業中だが、まだ(発表予定日の)目途は立っていない」と説明した。
2019年12月期末(連結)で店舗の閉店などから、当期純利益は▲27億700万円の赤字を計上し、純資産額は5億9,600万円まで低下していた。2020年第1四半期は新型コロナウイルスの影響を大きく受けており、決算発表が注目されている。

ペッパーフードサービスの店舗(TSR撮影)

ペッパーフードサービスの店舗 

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