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新型コロナでさらに窮地 百貨店アパレル上場12社、半数で赤字

 百貨店にテナント出店するアパレルブランド(以下、百貨店ブランド)を展開する上場主要12社の本決算が出そろった。各社の直近の本決算は、8社が減収、6社が最終赤字を計上した。
 昨年10月の消費増税、暖冬による冬物商戦の苦戦に加え、「新型コロナウイルス」感染拡大による外出自粛が重なりアパレル各社は辛苦の経営が続く。
 5月に入り、15日に「ダーバン」、「アクアスキュータム」などを展開する老舗のレナウン(TSR企業コード:295833440)が子会社の申立により、東京地裁から民事再生開始決定を受けた。一方で18日には、他社に先駆け高島屋が関東圏の店舗で営業を再開する明るいニュースも舞い込んだ。
 しかし、コロナ禍で冷え込んでしまった消費マインドの回復には時間を要しそうで、百貨店ブランドを取り巻く先行きは不透明感が根強い。

  • 集計対象の12社は、ワールド、オンワードホールディングス、TSIホールディングス、レナウン、クロスプラス、三陽商会、ルックホールディングス、三共生興、ダイドーリミテッド、東京ソワール、キング、ラピーヌ。


10社で売上が当初予想を下回る

 百貨店ブランド各社の最新決算は、売上高が比較可能な10社のうち「23区」や「Jプレス」などを展開する(株)オンワードホールディングス(TSR企業コード:290030471、以下オンワードHD)と、「パーリー・ゲイツ」や「ジル・スチュアート」などの(株)TSIホールディングス(TSR企業コード:298655195)を除く10社が減収となった。
 10カ月の変則決算となったレナウンと14カ月決算の(株)三陽商会(TSR企業コード:290059666)を除く8社が当初予想を下回る結果となり、昨シーズンの販売不振が鮮明となった。
 最終利益はオンワードHD、レナウン、三陽商会(2019年12月期第4四半期時点)、「ニューヨーカー」を展開する(株)ダイドーリミテッド(TSR企業コード:291068103)、フォーマルウェアをテナント出店する(株)東京ソワール(TSR企業コード:291181210)、「ピエール・カルダン」のライセンスなどを手掛ける(株)ラピーヌ(TSR企業コード:570221234)の6社で赤字を計上。

百貨店アパレル0522

オンワードはアパレル以外の業績が寄与

 オンワードHDは、前期に連結子会社化したギフト関連事業などアパレル以外の業績が寄与し、増収に転じた。一方で百貨店向けは前期比11.9%の減収となった。EC販売は堅調に推移し前期比11.4%の増収だったが、売上は百貨店の3割程度と発展途上にあるため、百貨店の減少分をカバーするにはまだ難しい状況にある。
 「マッキントッシュ」ブランドのライセンスや「エポカ」を百貨店に出店する三陽商会は、2019年8月、若年層に訴求した新業態「CAST」をスタートし、新たに百貨店やファッションビルへ約30店舗を新規出店した。しかし、売上減をせき止めることは難しく、2020年2月期第4四半期(2020年1-12月)で前年同期から約5億円の減収となった。4月に発表した今期の“再生プラン”では、新規出店の抑制や宣伝販促の見直しを掲げ、22年2月期の黒字化に向け足場固めを行う。

見通し“未定”が9社

 12社のうち、12月決算のルックHD、1月決算のクロスプラスは通期予想を開示したものの、2、3月決算の9社が予想を「未定」と発表。12月決算の東京ソワールは、当初、通期予想を開示したものの、新型コロナによる百貨店等の休業を受け、5月、一旦発表した予想を取り下げ、未定に修正した。

 4月7日に発令した緊急事態宣言から1カ月半が経過した。日本百貨店協会の売上高速報によると、緊急事態宣言発令前の3月の全国百貨店での売上高は対前年比で33.9%減だった。とくに、東京(対前年比34.7%減)、大阪(同42.2%減)、名古屋(同36.7%減)の三大都市圏は全国平均を下回って推移した。百貨店は首都圏、関西圏を中心に多くが、現状で一部フロアを除き5月末までの休業を予定する。
 さらに、政府が掲げる“新しい生活様式”では、「展示品への接触を控える」「通販も利用」など外出の自粛に加え、試着の自粛を求める文言が並ぶ。ECの利用機会が乏しいミドルエイジやシニア向けのアパレルを主力とするメーカーにとっては、実店舗の長引く休業は業績に大きく響く。
 12社のうち、比較的ECセグメントが活況なTSIHDでも、ECの売上が占める割合はアパレル全体の売上の約2割、ルックでは約1割程度で、実店舗の販売がまだまだ主力だ。実店舗の販売に大きな制限が掛かる状況が続くなか、収益減を食い止める施策は待ったなしの状態だ。

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