• TSRデータインサイト

ラーメンチェーン「幸楽苑」 新型コロナで役員報酬と社員給与を減額へ

 5月1日、東証1部上場の(株)幸楽苑ホールディングス(TSR企業コード: 152024999、法人番号: 2380001005074、福島県)は、役員報酬と社員給与の減額、および従業員の夏季賞与の不支給を明らかにした。
 同社のリリースによると、新型コロナウイルスの影響による業績悪化を受け、役員報酬を会長と社長が月額報酬の50%減額し、常勤取締役や社外取締役、監査役もそれぞれ20%~30%減額する。対象期間は5月~7月までの3カ月間の予定。
 また、緊急事態宣言の発令で休業や時間短縮などの店舗もあることから、「従業員の雇用と稼働の適正を図る」ため、社員給与の削減と従業員への夏季賞与の不支給を決めた。労働組合と協議していた。社員給与の減額は月額給与の20%、対象期間は5月~7月まで3カ月間の予定。
 ただ、資金繰りは取引金融機関と追加の資金調達の協議が順調に進んでおり、「現時点で懸念点はない」としている。
 幸楽苑ホールディングスの3月の売上速報(国内直営の既存店)によると、売上高は前年同月比22.0%減、客数も21.6%減に落ち込んだ。同社は、「今年2月に拡大した新型コロナウイルスの影響で外食を控える傾向が強まったほか、土曜日の日数が前期より1日少なかった」と要因を説明している。
 幸楽苑は、テイクアウト弁当「幸弁(こうべん)」を発売。4月23日~5月22日まで全品50円引きのセールを開催し、餃子・チャーハン弁当などの販売も開始している。
 新型コロナの感染拡大は、大手飲食チェーンも厳しい状況に追い込まれている。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

ハンバーガー店の倒産、最多更新 ~ 材料高騰、大手と高級店の狭間で模索 ~

年齢を問わず人気のハンバーガー店が苦境だ。2024年は1件だった倒産が、2025年は8月までに7件に達し、過去最多の2014年の年間6件を上回った。

2

  • TSRデータインサイト

2025年「全国のメインバンク」調査 ~GMOあおぞらネット銀行 メイン社数の増加率2年連続トップ~

「2025年全国企業のメインバンク調査」で、GMOあおぞらネット銀行が取引先のメインバンク社数の増加率(対象:500社以上)が2年連続でトップとなった。

3

  • TSRデータインサイト

タクシー業界 売上増でも3割が赤字 人件費・燃料費の高騰で二極化鮮明

コロナ禍を経て、タクシー業界が活況を取り戻している。全国の主なタクシー会社680社の2024年度業績は、売上高3,589億5,400万円(前期比10.6%増) 、利益83億3,700万円(同11.1%増)で、増収増益をたどっている。

4

  • TSRデータインサイト

「葬儀業」は老舗ブランドと新興勢力で二極化 家族葬など新たな潮流を契機に、群雄割拠

全国の主な葬儀会社505社は、ブランド力の高い老舗企業を中心に、売上高を堅調に伸ばしていることがわかった。 ただ、新たに設立された法人数が、休廃業・解散や倒産を上回り、市場は厳しい競争が繰り広げられている。

5

  • TSRデータインサイト

2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査

全国160万5,166社の“メインバンク”は、三菱UFJ銀行(12万7,264社)が13年連続トップだった。2位は三井住友銀行(10万1,697社)、3位はみずほ銀行(8万840社)で、メガバンク3行が上位を占めた。

TOPへ