• TSRデータインサイト

「新型コロナウイルス」関連倒産状況【4月16日17:00 現在】

 4月16日17:00までに「新型コロナ」関連の経営破たんは、全国で63件(倒産39件、弁護士一任・準備中24件)に達した。15日から2件増加した。
 経営破たんした企業を都道府県別でみると、最多は東京都の11件(倒産10件、準備中1件)。次いで、北海道9件(同8件、同1件)、兵庫県4件(同2件、同2件)、静岡県・大阪府・福岡県が各3件で、“緊急事態宣言”が発令された都道府県を中心に発生している。なお、16日に香川県で初めて経営破たんが確認され、30都道府県まで拡大した。

 業種別では、宿泊業14件(倒産8件、準備中6件)、飲食店7件(同5件、同2件)など、インバウンド需要の消失が直撃した2業種で33.3%を占める。経営破たんした企業は、もともと経営が厳しかった企業が多いが、「新型コロナ」が最後の決断を促したケースが目立つ。ここにきて、小中学校の休校の煽りを受けた給食食材卸、葬儀の延期や中止が増えた葬儀屋、感染防止で入居ビルが閉鎖され売上が減少した雑貨販売店など、その影響は幅広い業種に及んでいる。
 売上減少の長期化は、経営体質が脆弱な小・零細企業だけでなく、手元資金に乏しい中堅クラスでも資金繰りに行き詰まる可能性が高まる。資金調達の時間との勝負になろうとしている。 


日本地図コロナ0416

4月16日までに30都道府県に拡大

 4月16日までに判明した経営破たん(判明分)は63件に増え、3月末までの累計25件の2.5倍に急増している。また、経営破たんが発生した地域も、16日に香川県で初めての経営破たんが判明し、30都道府県に広がった。
 経営破たんの事例は、手袋資材卸の辻田実業(株)(香川県)は、受注が落ち込んでいたところに、主力仕入先が従業員の新型コロナ感染で生産を2週間停止したため、材料が入らず事業継続が困難となって破産を申請した。
 

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

建材販売業の倒産 コロナ禍の2倍のハイペース コスト増や在庫の高値掴みで小規模企業に集中

木材や鉄鋼製品などの建材販売業の倒産が、ジワリと増えてきた。2025年1-7月の倒産は93件で、前年同期(75件)から2割(24.0%)増加した。2年連続の増加で、コロナ禍の資金繰り支援策で倒産が抑制された2021-2023年同期に比べると約2倍のハイペースをたどっている。

2

  • TSRデータインサイト

「転勤」で従業員退職、大企業の38.0%が経験 柔軟な転勤制度の導入 全企業の約1割止まり

異動や出向などに伴う「転勤」を理由にした退職を、直近3年で企業の30.1%が経験していることがわかった。大企業では38.0%と異動範囲が全国に及ぶほど高くなっている。

3

  • TSRデータインサイト

女性初の地銀頭取、高知銀行・河合祐子頭取インタビュー ~「外国人材の活用」、「海外販路開拓支援」でアジア諸国との連携を強化~

ことし6月、高知銀行(本店・高知市)の新しい頭取に河合祐子氏が就任した。全国の地方銀行で女性の頭取就任は初めてで、大きな話題となった。 異色のキャリアを経て、高知銀行頭取に就任した河合頭取にインタビューした。

4

  • TSRデータインサイト

ダイヤモンドグループ、複数先への債務不履行~蔑ろにされた「地域イベントの想い」 ~

ライブやフェスティバルなどの企画やチケット販売を手掛けるダイヤモンドグループ(株)(TSRコード:298291827、東京都、以下ダイヤモンドG)の周辺が騒がしい。

5

  • TSRデータインサイト

2025年1-8月の「人手不足」倒産が237件 8月は“賃上げ疲れ“で、「人件費高騰」が2.7倍増

2025年8月の「人手不足」が一因の倒産は22件(前年同月比37.5%増)で、8月では初めて20件台に乗せた。1-8月累計は237件(前年同期比21.5%増)に達し、2024年(1-12月)の292件を上回り、年間で初めて300件台に乗せる勢いで推移している。

TOPへ