• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

上場企業「新型コロナウイルス影響」調査(2月28日現在)

 「新型コロナウイルス」が日本企業へ大きな影響を及ぼし始めている。「決算短信」や「業績予想の修正」、「お知らせ」などで、新型コロナウイルス関連の影響や対応について情報開示した上場企業は、2月28日13時で337社に達した。2月21日13時時点の291社から46社増えた。
また、自主的な開示はないが、東京商工リサーチの独自調査で工場や事業所、店舗の稼働休止など何らかの影響が判明した上場企業は26社(当初31社だったが、その後5社が情報開示した)。合計363社の上場企業が新型コロナウイルスの影響を受け、対応に追われている。

業績へのマイナス影響63社、国内での従業員感染が5社

 情報開示のあった337社のうち、決算短信や業績予想の修正などで新型コロナウイルスの影響に言及したのは258社。このうち、63社(構成比24.4%)が、売上高や利益の減少など業績への下振れ要因とした。このほか、195社(同75.5%)が「影響の懸念がある」、もしくは「現時点で影響を確定することは困難で業績予想に織り込んでいない」としている。
また、「その他」の90社のうち、従業員の新型コロナウイルス感染が判明した上場企業が6社(国内での従業員感染が5社、国外での現地法人従業員感染が1社)あった。東日本旅客鉄道(株)(TSR企業コード:292286287)では2月26日までに、社員2名の新型コロナウイルス感染が判明した。
従業員に感染者が出た場合、事業所の消毒や濃厚接触者の自宅待機など、過去に経験のない対応を迫られることになる。各企業にとっては、テレワークのさらなる普及や業務の分担など、万が一を想定した事前の対策が急務である。

新型コロナウイルス 主な影響・対応(2月28日現在)

製造業が過半数、大規模イベントの延期・中止要請によりサービス業への影響も拡大

 363社の業種別では、製造業が201社(構成比55.3%)で過半数を占めた。中国国内の工場や事業所の再開許可を得ても、現地従業員が出社できず通常稼働に至らないケースもある。次いで、サービス業50社(同13.7%)、小売業30社(同8.2%)、卸売業と情報通信業が23社(同6.3%)、運輸業16社(同4.4%)と続く。 政府から大規模イベント等の自粛要請があったことで、該当するイベントの主催者や施設の運営者は、中止や延期、規模縮小の対応を迫られている。(株)オリエンタルランド(TSR企業コード:320063402)は、テーマパークの東京ディズニーランド(浦安市)と、東京ディズニーシー(同市)を、2月29日から3月15日まで臨時休園すると発表した。
日本国内での感染が広がりつつあるなか、内需型企業にも次第に影響が拡大している。政府は現時点での自粛期間を3月15日までと設定しているが、感染者数の増加に歯止めがかからなければ、さらに延長となる可能性もある。新型コロナウイルスの感染拡大の長期化にともない、ますます多くの企業への影響が懸念される。

新型コロナウイルス 影響・対応の業種別(2月28日現在)

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「最低賃金」改定で、51.3%の企業が「給与変更」 2020年代の1,500円 「対応不可能」が4割切る

厚生労働省は9月3日、2026年度の全国の最低賃金額(平均)を1,177円(56円増)に引き上げた。 1978年度に目安制度が始まって以降、平均引き上げ額56円は前年度に続き2番目の高さで、これを受けて給与改定を迫られる企業が半数に達することがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

1-9月「医療機関」倒産 過去最多の59件 身近なクリニック、歯科医院で苦境が鮮明

医療機関の倒産が再び勢いを増している。2026年1月-9月に倒産した病院・クリニック(診療所)・歯科医院などの「医療機関」は59件(前年同期比28.2%増)と、過去最多を更新した。

3

  • TSRデータインサイト

「税金滞納」倒産が168件、前年同期の2倍に大幅増 2026年度上半期の「税金滞納」倒産 破産が97.6%

2026年度上半期(4-9月)の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、168件(前年同期比100.0%増)と、前年同期の2倍に達し、この10年で最多を記録した。物価や人件費などのコストアップが企業収益を圧迫し、納税原資を確保できない小・零細企業の行き詰まりに拍車を掛けている。

4

  • TSRデータインサイト

「社会保険の適用拡大」 中小・零細企業ほど負担増 企業の44.9%が「働き控え」懸念、「未対応」も半数

2026年10月から非正規従業員にも社会保険の適用が拡大された。「月収8万8,000円以上」の賃金要件が撤廃され給与額に関わらず条件を満たす社員は、新たに厚生年金や健康保険の加入対象となる。10月1~8日企業を対象に「社会保険適用の基準変更」に関するアンケート調査を実施した。

5

  • TSRデータインサイト

2026年1-9月「デイサービス」倒産47件 同期間で過去最多、介護業界の苦境鮮明

デイサービスなど「通所・短期入所介護事業」の倒産が増加している。2026年は9月までに47件(前年同期比34.2%増)と大幅に増加し、1-9月で過去最多を更新した。多様化するサービスなど、他社との競争が激化するほか、物価高に人手不足も重なり、苦境が深まっている。

TOPへ