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JDI、第3四半期「営業黒字」見通しも決算発表は延期

 1月31日、経営再建中の(株)ジャパンディスプレイ(TSR企業コード:294505385、以下JDI)は独立系投資ファンドの(株)いちごアセットマネジメント(TSR企業コード:296723681、以下いちご)が組成するIchigo Trust(ケイマン諸島)から最大1,008億円の出資受け入れを発表した。いちごからの出資に加え、既存の金融債務の株式化(リファイナンス)を予定し、計画通り実行されると2019年9月末で1,000億円を超えていた債務超過(連結)は3月末までに解消される。

 同日18時から都内で、JDIの菊岡稔・代表取締役社長といちごのスコット・キャロン代表取締役社長が会見した。JDIの菊岡社長は「資本性の安定資金を確保する。これまでご心配をお掛けしてきた株主、サプライヤー、お客様を含めてステークホルダーとの信頼関係の再構築ができる」と述べ、財務改善と資金繰りの安定化に一定の道筋をつけたとの認識を示した。
 いちごにとっては、運用資金約8,000億円のうち、最大1,000億円程度を投じる大型投資となる。いちごのキャロン社長は、「いちごは集中投資だ。会社を14年前に設立したが、その時も今も(世の中の)主流は分散投資だ。だが、それが社会的にいいのか。分散投資では誰もその会社を支えない。いちごの投資は命がけだ」と述べ、再建に積極的に関わる姿勢を示した。
 JDIは3月25日に臨時株主総会を開催し、いちごからの出資受け入れを正式に決定、26日にまず504億円を受け取りたい考え。同時に、キャロン社長のJDIの代表取締役会長への就任を決議する。また、(株)INCJ(TSR企業コード:033865507)からの借入金のリファイナンスを実施し、債務超過の解消を目指す。菊岡社長は31日の会見で「(2020年3月期)第3四半期の営業黒字化は果たせたと思う」と述べ、これまでに実施した工場資産の減損や人員削減の効果を強調した。

 ただ、2月13日に予定していた第3四半期の決算発表は延期した。現在、JDIは過去の決算で在庫資産の計上に疑義が生じ、第三者委員会が調査している。JDIの一部取引先からは、「結果次第では資金調達スキームに影響を及ぼしかねない」との声もあるが、菊岡社長は「今回の資金調達とは切り離して考えている」と述べるにとどめた。

JDI菊岡社長(左)とキャロン社長

JDI菊岡社長(左)とキャロン社長


(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2020年2月4日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)

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