• TSRデータインサイト

東芝、子会社で200億円規模の「循環取引」

 1月18日、(株)東芝(TSR企業コード: 350323097、東証2部)は、連結子会社の東芝ITサービス(株)(TSR企業コード:350464685)で、実在性の確認できない取引が行われていた可能性があると発表した。
 実在性が確認できないのは、東芝全体の事業のうち「デジタルソリューションセグメント」に属する取引。同セグメントの2020年3月期上半期(4-9月)の売上高は1,408億円(前年同期比232億円増)だった。このうち、約200億円の取引について実在性が確認できないという。
 東芝ITサービスは、東芝の完全子会社である東芝デジタルソリューションズ(株)(TSR企業コード:294072640)の100%子会社。システム開発や保守などを手がけ、2019年3月期の売上高(単体)は440億円(前年同期は462億円)、最終利益は13億円(同47億円)だった。

 20日、東京商工リサーチの取材に応じた東芝の担当者は、「(実在性の確認できない取引は)循環取引との認識で差し支えない」と回答した。東芝ITサービスの2019年3月期の売上高のほぼ半額に匹敵する循環取引額になる点については、「詳細は調査中だが、2019年4-9月の売上高の大半が循環とのイメージではない」と述べた。
 これとは別に、過去数年にわたって循環取引が行われていた可能性もあり、総額は200億円を超える可能性がある。発覚の経緯や取引期間などについては、「社外からの通報で発覚した。過去10年とかそういう期間ではない。複数社が関わった取引だが、東芝グループでは東芝ITサービス以外は確認されていない」(東芝の担当者)という。
 東芝は、2月14日の2020年3月期第3四半期の業績発表に合わせて、調査結果を公表する予定。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2020年1月21日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「建設コンサルタント」 の業績拡大 ~ 災害対策や老朽化修繕など、安全対策が寄与 ~

2025年1月に埼玉県八潮市で発生した下水道管の破損による大規模な道路陥没事故から1年が経過した。事故を機に普段何気なく利用するインフラの老朽化を身近に感じた人も多いだろう。工事を直接担うのは建設会社だがその裏で設計監理する土木工事の「建設コンサルタント」の業績が好調だ

2

  • TSRデータインサイト

病院経営の法人、採算悪化で赤字法人が5割に迫る 収入は微増、利益はコロナ禍から1兆円以上の大幅減

全国で「病院」を経営する6,266法人の直近決算は、約半数にのぼる3,021法人(構成比48.2%)が赤字だったことがわかった。赤字法人率はコロナ禍以降、3年連続で上昇した。

3

  • TSRデータインサイト

2月の「人手不足」倒産 「求人難」が3.3倍に急増 従業員の採用と賃上げで中小企業は苦悩強まる

2026年2月の「人手不足」倒産は47件(前年同月比147.3%増)で、2025年9月の48件以来、5カ月ぶりに40件台に乗せた。2026年1-2月累計は83件(前年同期比45.6%増)で、同期間では調査を開始した2013年以降、最多だった前年の57件を大きく上回り、増勢を強めている。

4

  • TSRデータインサイト

2月の「ゼロゼロ融資」利用後倒産は27件 返済開始の最後のピークを控え、今後増勢の懸念も

2026年2月の「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」を利用した企業の倒産は、27件(前年同月比18.1%減)で、2カ月連続で前年同月を下回った。

5

  • TSRデータインサイト

2月の「税金滞納」倒産は10件、3カ月ぶりに減少 10件すべて破産、税金滞納が経営再建の障害に

2026年2月の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、10件(前年同月比33.3%減)だった。3カ月ぶりに前年同月を下回り、2月としては2年連続で減少した。

TOPへ