• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

2019年8月、9月期決算 4社にGC注記、7社に重要事象が記載

 2019年8月期、9月期決算で、決算短信に「継続企業の前提に関する注記」(ゴーイング・コンサーン注記、GC)を記載した企業は4社だった。また、GCに至らないが事業継続に重要な疑義を生じさせる事象がある「継続企業の前提に関する重要事象」(以下、重要事象)を記載したのは7社だった。
 2019年3月期以降の累計社数は、GC注記が26社、重要事象は53社で、合計79社にのぼった(いずれも通期決算をカウント)。


 GC注記の4社のうち、9月27日付で事業再生ADR手続が成立した書店大手の(株)文教堂グループホールディングス(TSR企業コード:350391742、川崎市)は連結ベースで最終赤字39億円を計上し、債務超過額は42億円に拡大した。今後、事業再生計画に沿って金融機関や取次大手の日本出版販売(株)(TSR企業コード:130976210、千代田区)の支援を得ながら再建を図る。
 また、金属製ラック製造の日本フォームサービス(株)(TSR企業コード:291155170、江東区)は「取引先に対する営業債務及び諸経費の一部に支払遅延が発生」している。
 一方、トレーニング機器「シックスパッド」販売の(株)MTG(TSR企業コード:401117464、名古屋市)は、会計監査人に「韓国の取引先の在庫状況に関する通報があり、内容の調査に時間を要する」として9月期の決算発表を延期した。当社は5月に上海子会社で不適切な会計処理が発覚、過年度決算を訂正し9月24日に東証に対し改善報告書を提出したばかりだった。11月19日には業績予想を棚卸資産評価損などで267億円の最終赤字となる見込み(前回予想は85億円の赤字)と公表しており、決算発表に注目が集まっている。


 上場企業は大手を中心に好決算が相次ぐ一方、世界経済の減速懸念による不透明感も漂っている。また、不適切会計の発覚が増加の一途を辿り、不振企業ほどガバナンス機能の低下も指摘されている。
 上場企業とはいえ業種や規模感は多岐に渡り、好不調の二極化は進展している。GCや重要事象の記載から脱却できない不振企業の動向には引き続き注意が必要だろう。

※11社のリストは「TSR情報全国版」11月26日号「WeeklyTopics」に掲載予定

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「最低賃金」改定で、51.3%の企業が「給与変更」 2020年代の1,500円 「対応不可能」が4割切る

厚生労働省は9月3日、2026年度の全国の最低賃金額(平均)を1,177円(56円増)に引き上げた。 1978年度に目安制度が始まって以降、平均引き上げ額56円は前年度に続き2番目の高さで、これを受けて給与改定を迫られる企業が半数に達することがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

1-9月「医療機関」倒産 過去最多の59件 身近なクリニック、歯科医院で苦境が鮮明

医療機関の倒産が再び勢いを増している。2026年1月-9月に倒産した病院・クリニック(診療所)・歯科医院などの「医療機関」は59件(前年同期比28.2%増)と、過去最多を更新した。

3

  • TSRデータインサイト

「税金滞納」倒産が168件、前年同期の2倍に大幅増 2026年度上半期の「税金滞納」倒産 破産が97.6%

2026年度上半期(4-9月)の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、168件(前年同期比100.0%増)と、前年同期の2倍に達し、この10年で最多を記録した。物価や人件費などのコストアップが企業収益を圧迫し、納税原資を確保できない小・零細企業の行き詰まりに拍車を掛けている。

4

  • TSRデータインサイト

「社会保険の適用拡大」 中小・零細企業ほど負担増 企業の44.9%が「働き控え」懸念、「未対応」も半数

2026年10月から非正規従業員にも社会保険の適用が拡大された。「月収8万8,000円以上」の賃金要件が撤廃され給与額に関わらず条件を満たす社員は、新たに厚生年金や健康保険の加入対象となる。10月1~8日企業を対象に「社会保険適用の基準変更」に関するアンケート調査を実施した。

5

  • TSRデータインサイト

2026年1-9月「デイサービス」倒産47件 同期間で過去最多、介護業界の苦境鮮明

デイサービスなど「通所・短期入所介護事業」の倒産が増加している。2026年は9月までに47件(前年同期比34.2%増)と大幅に増加し、1-9月で過去最多を更新した。多様化するサービスなど、他社との競争が激化するほか、物価高に人手不足も重なり、苦境が深まっている。

TOPへ