• TSRデータインサイト

maneoマーケットの8割超の株式をNLHDが株式取得、信頼回復を目指す

 ソーシャルレンディング最大手のmaneoマーケット(株)(TSR企業コード:297202863、千代田区)は9月17日、前代表の瀧本憲治氏が保有していた株式(84.95%)を、NLHD(株)(TSR企業コード:297880411、東京都港区)に売却することを取締役会で承認したと発表した。同時に、新たに4名の取締役、1名の監査役を選任する予定も明らかにした。
 maneoマーケットは2018年7月、金融庁からファンドの虚偽記載などで業務改善命令を受けて信用が失墜。今年3月には投資家から訴訟を提起され、信用回復が急務になっていた。
 NLHDは、東証2部上場のJトラスト(株)(TSR企業コード:570303931、東京都港区)、ジャスダック上場のSAMURAI&J PARTNERS(株)(TSR企業コード:571546560、東京都港区)など、第一種・第二種金融商品取引業の企業株式を保有している。今後はグループ連携を強める意向だ。
 同日、SAMURAI&J PARTNERSは適時開示で、「NLHD社と当社は、maneo等の信用回復に向け取り組みへの協議を重ねている。当社グループがmaneo等に取り組んでいくことで、ソーシャルレンディング業界の信用回復に貢献できると考えている」とリリースした。
 maneoマーケットは9月25日、株主総会を招集し、総会後に代表取締役を決定する予定。
 「maneoマーケット」の信頼回復がソーシャルレンディングの地位向上に繋がるか、NLHDの取組みに注目が集まる。


(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2019年9月19日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

中小企業の賃上げ率「6%以上」は9.1% 2025年度の「賃上げ」 は企業の85%が予定

2025年度に賃上げを予定する企業は85.2%だった。東京商工リサーチが「賃上げ」に関する企業アンケート調査を開始した2016年度以降の最高を更新する見込みだ。全体で「5%以上」の賃上げを見込む企業は36.4%、中小企業で「6%以上」の賃上げを見込む企業は9.1%にとどまることがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

次世代電池のAPB、経営騒動の舞台裏 ~ APB・大島麿礼社長 単独インタビュー ~

次世代リチウムイオン電池「全樹脂電池」の開発や製造を手がける技術系ベンチャーのAPB(株)が注目を集めている。大島麿礼社長が東京商工リサーチの単独取材に応じた(取材日は4月10日)。

3

  • TSRデータインサイト

コロナ禍で急拡大の「マッチングアプリ」市場 新規参入のテンポ鈍化、“安全“投資で差別化

20代、30代の若者を中心に、恋活や婚活、恋愛の真面目な出会いを求めるマッチングアプリの利用が広がっている。マッチングアプリの運営会社はコロナ禍を境に急増し、社数は6年間で5.6倍になった。2019年3月末の5社から、2025年3月末は28社と6年間で大幅に増えた。

4

  • TSRデータインサイト

丸住製紙(株)~ 倒産した地元の“名門”製紙会社の微妙な立ち位置 ~

2月28日に新聞用紙の国内4位の丸住製紙(株)(四国中央市)と関連2社が東京地裁に民事再生法の適用を申請してから2週間が経過した。負債総額は約590億円、債権者数は1,000名以上に及ぶ。愛媛県では過去2番目の大型倒産で、地元の取引先や雇用への影響が懸念されている。

5

  • TSRデータインサイト

介護離職者 休業や休暇制度の未利用54.7% 規模で格差、「改正育児・介護休業法」の周知と理解が重要

団塊世代が75歳以上になり、介護離職問題が深刻さが増している。ことし4月、改正育児・介護休業法が施行されたが、事業規模で意識の違いが大きいことがわかった。

TOPへ