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2019年3月期決算上場企業2,316社「女性役員比率」調査

 上場企業2,316社の2019年3月期決算の役員総数は2万6,664人(前年同期2万6,835人)だった。このうち、女性役員は1,319人(構成比4.9%)で、前年同期(1,031人)より288人増加し、女性役員比率は1.1ポイント上昇した。2,316社のうち、1,336社(構成比57.6%)で女性役員がゼロだった。ただ、前年同期は女性役員がゼロだったが、2019年3月期に女性役員が誕生した上場企業は207社(同8.9%)で、女性の役員登用は少しずつ進んでいる。
 産業別の女性役員比率は、全10産業で前年同期を上回った。最高は金融・保険業の7.4%(役員総数2,105人、うち女性役員156人)。以下、電気・ガス業7.2%(同319人、同23人)、水産・農林・鉱業6.4%(同125人、同8人)と続く。最低は建設業の3.3%(同1,543人、同51人)で、最高の金融・保険業とは4.1ポイントの差があった。
 女性役員比率50.0%以上の上場企業は、老人介護ホームの光ハイツ・ヴェラス(役員総数7人、うち女性役員4人)、化粧品の開発・製造、販売のハーバー研究所(同8人、4人)とシーボン(同10人、同5人)の3社(前年同期2社)。
 2015年12月、政府は第4次男女共同参画基本計画を閣議決定し、上場企業の女性役員の割合を「2020年までに10%を目指す」目標を掲げた。だが、2019年3月期決算の上場企業で、女性役員比率10%以上は484社(構成比20.8%)にとどまっている。また、女性役員ゼロの企業も約6割を占め、政府目標の10%達成は厳しさを増している。


  • ※本調査は東京証券取引所など、すべての証券取引所に株式上場している企業のうち、2019年3月期決算の企業を対象に各企業の有価証券報告書の役員状況に記載されている男性・女性の人数を集計、分析した。
  • ※本調査の「役員」は、「会社法上の取締役、執行役および監査役など」とした。
  • ※業種分類は証券コード協議会の定めに準じる。

女性役員ゼロは1,336社、全体の約6割を占める

 上場企業2,316社の役員総数は2万6,664人で、このうち女性役員数は1,319人だった。役員総数に占める女性役員比率は4.9%で、前年同期の3.8%(1,031人)から1.1ポイント上昇した。女性役員が一人もいない上場企業は1,336社(構成比57.6%)で、前年同期1,522社(同65.7%)から社数は186社減少し、女性の役員登用への動きは少しずつ進んでいる。
 2019年3月期決算で女性役員比率が前年同期より上昇したのは484社(構成比20.8%)。一方、低下は170社(同7.3%)。前年同期と同比率は1,662社(同71.7%)で、全体の7割を占めた。

3月期決算 上場企業2,316社 産業別女性役員比率

産業別女性役員 最高は金融・保険業の7.4%、最低は建設業の3.3%

 産業別の女性役員比率で、最高は金融・保険業の7.4%(前年同期5.8%)。次いで、電気・ガス業7.2%(同5.1%)、水産・農林・鉱業6.4%(同3.1%)、サービス業6.3%(同6.0%)、不動産業5.3%(同4.7%)と続く。女性役員比率が最高だった金融・保険業は、役員総数2,105人(前年同期2,147人)のうち、女性役員は156人(同126人)を占めた。
 産業別の女性役員ゼロは、最高が建設業の64.4%(121社のうち78社)。女性役員比率は3.3%にとどまり、他産業に比べ女性登用に厚い壁が立ちはだかっている。
 以下、卸売業62.9%(232社のうち146社)、製造業61.9%(1,084社のうち672社)の順で、3産業は女性役員ゼロの企業が6割以上で、女性の役員登用に課題を残している。
 一方、女性役員ゼロの構成比が最も低かったのは、電気・ガス業20.0%(20社のうち4社)。業務内容は公共性が高いうえに女性の進出機会の間口が広く、女性役員の登用が他産業より高くなっているようだ。

光ハイツ・ヴェラスが女性役員比率57.1%で最高3.3%

 女性役員比率を企業ごとにみると、最高は札証アンビシャス上場の光ハイツ・ヴェラスの57.1%(前年同期57.1%)。同社は北海道で老人介護ホームを運営し、役員総数7人のうち、半数を超える4人が女性。2位は、自然化粧品の開発・製造・販売を手がけるJASDAQ上場のハーバー研究所(役員総数8人、女性役員4人、前年同期33.3%)、スキンケアなど高級化粧品の製造販売を手がける東証1部のシーボン(同10人、同5人、同50.0%)が各50.0%。女性比率50.0%以上は3社で、前年同期の2社より1社増加した。女性役員比率の上位3社は、ともに事業内容から女性の役員登用に積極的な社風になっている。


 2013年4月、政府は経済界に「役員(取締役、会計参与、監査役若しくは執行役)に1人は女性を登用する」ことを要請。女性が企業の意思決定に関わることで、多様な価値観を企業経営に反映し、こうした価値観を受容する組織はイノベーションが促進されるとの見解を示した。
 だが、2019年3月期決算の上場企業では、女性役員比率は5%に満たず、約6割(1,336社)の企業で女性役員がまだゼロとなっている。
 東証1部では前年同期4.3%から5.6%に上昇し、また、一部の企業では2030年までに女性役員の割合を30%まで増やすための検討グループを発足させるなど、女性の役員登用を進める動きも出始めている。現状、女性の役員登用は道半ばだが、小売業やサービス業など一部の業種では女性登用が進み、業種により対応差が出ている。
 女性の社会進出が言われて久しい。女性役員の登用が単なる数値目標でなく、適材適所により客観的に促進されることで、ダイバーシティ(多様性)への対応が進むことが期待される。

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