• TSRデータインサイト

2019年上半期(1-6月)「太陽光関連事業者」の倒産状況

 2019年上半期(1-6月)の「太陽光関連事業者」の倒産は32件(前年同期比25.6%減)で、上半期としては2年連続で減少した。負債総額は68億6,400万円(同55.2%減)で、前年同期から半減した。
 2012年7月に「固定価格買い取り制度」(FIT)の導入で、新規参入が相次いだ太陽光関連市場だが、競合と安易な参入で淘汰が進んだ。2017年(1-12月)の「太陽光関連事業者」の倒産は87件と過去最多を記録したが、2018年(1-12月)は84件と微減に転じた。
 2019年上半期(1-6月)も倒産は32件とペースは鈍化し、年間でも2年連続の前年割れで推移する可能性が高まっている。


  • 本調査は、ソーラーシステム装置の製造、卸売、小売を手がける企業、同システム設置工事、コンサルティング、太陽光発電による売買電事業等を展開する企業(主・従業は不問)を「太陽光関連事業者」と定義し、集計した。

太陽光関連事業者の倒産 年次推移

負債額別 「1億円以上」が半数

 負債額別では、1億円以上の倒産が全体の50.0%(16件)を占めた。全国の上半期の倒産全体では3,991件のうち、負債1億円以上は26.1%(1,044件)に留まっている。こうしたことから「太陽光関連事業者」の倒産は、他産業より負債が高額になりやすい傾向にある。

負債額別 太陽光関連事業者の倒産

原因別 「販売不振」が半数

 原因別では、最多は「販売不振」で22件(構成比68.7%)と約7割を占めた。次いで、「赤字累積」の3件(同9.3%)が続く。
 倒産が減少する中で、「赤字累積」は前年同期(2件)から増加に転じ、収益力や財務体質の改善が遅れた「太陽光関連事業者」の脱落は今後も続く可能性がある。


 2019年上半期(1-6月)の「太陽光関連事業者」の倒産は32件で、上半期としては2年連続で減少した。FIT成立後、新規参入業者の多さに比例するように倒産は増加した。しかし、固定買い取り価格の段階的な引き下げや、入札制度の導入などで参入メリットが薄まり、太陽光関連市場への安易な進出は減少し、これに伴い倒産も減少している。
 ただ、太陽光発電の急拡大で電力需給バランスが崩れ、九州では出力制限が頻発するなど、事業者が想定外の収益悪化に晒される事態も一部で生じている。また、メンテナンス不足などで、稼働済み太陽光発電所が想定通りの発電効率を維持できずに収益が悪化するケースも出ている。
 太陽光関連の倒産は減少に転じたとはいえ、事業上のリスクは低減しておらず、太陽光事業者の営業実態の把握はこれまで以上に必要になっている。

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「倒産発生率」ワーストは京都府 近畿2府4県がワースト10位内、地域の格差拡大

2025年の「倒産発生率」は0.199%で、2024年から0.005ポイント上昇した。地区別は、ワーストの近畿が0.31%、最低の北海道は0.126%で、最大2.4倍の差があり、地域格差が拡大したことがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

新型コロナ破たん、2カ月連続の150件割れ

2月は「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円未満含む)が140件判明し、2020年2月の第1号の発生から累計1万3,715件に達した。2026年1月は143件で2022年1月の117件以来、4年ぶりに150件を下回ったが、2月も140件と小康状態が続いている。

3

  • TSRデータインサイト

2025年の株主優待「導入」上場企業は175社 個人株主の取り込みが課題、優待廃止は68社に

2025年に株主優待の導入(再導入を含む)を発表した上場企業は175社だった。一方で、廃止を発表した上場企業は68社だったことがわかった。

4

  • TSRデータインサイト

2026年度の「賃上げ」 実施予定は83.6% 賃上げ率「5%以上」は35.5%と前年度から低下

2026年度に賃上げを予定する企業は83.6%で、5年連続で80%台に乗せる見込みだ。 2025年度の82.0%を1.6ポイント上回った。ただ、賃上げ率は、全体で「5%以上」が35.5%(2025年8月実績値39.6%)、中小企業で「6%以上」が7.2%(同15.2%)と、前年度の実績値から低下した。

5

  • TSRデータインサイト

2025年 上場企業の「監査法人異動」は196社 「中小から中小」が78社、理由のトップは「監査期間」

全国の証券取引所に株式上場する約3,800社のうち、2025年に「監査法人異動」を開示したのは196社(前年比43.0%増、前年137社)だった。

TOPへ