• TSRデータインサイト

ジャパンライフ第2回債権者集会 被害弁護団「(政治家は)政治献金を返金すべき」

 高齢者を中心に健康器具などの「オーナー商法」を展開し、2018年3月に東京地裁から破産開始決定を受けたジャパンライフ(株)(TSR企業コード:291624898、代表取締役:山口隆祥氏)の第2回債権者集会が6月4日、都内で開かれた。
 参加者は、「山口(元会長)が来なかった。話は難しくて良くわからなかった。お金は戻ってくるのでしょうか」と憔悴しながら集会の様子を語った。
 債権者集会の終了後、「全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会」が会見した。代表の石戸谷豊弁護士は、「普通の会社の場合は問題ないが、組織的犯罪で被害者から取ったお金を会社側に渡すのはおかしい」と、優先債権となる労働債権の扱いについて問題提起した。
 破産管財人が公表した財団債権(労働債権その他)は、第1回債権者集会時は6億7,109万円だったが、第2回債権者集会では4億6,022万円と評価額が減額された。
 第2回債権者集会の配布資料によると、資産の部は3億5,554万円、負債の部は財団債権だけで8億7,199万円で、一般債権者への配当は難しくなっている。これについて被害弁護団は、「1年に4度の行政処分を受け、今年4月には特定商取引法違反の疑いで強制捜査も行われた。このような被害を原資にした政治献金は許されず、受領すべきでもない。破産管財人に返金されるべき」と、政治献金に関する声明を発表した。
 石戸谷弁護士によると、「破産管財人から政治家の氏名や金額の公表はなかったが、すでに(政治家から)破産管財人へ政治献金を返金したケースもある」という。 第3回債権者集会は、12月18日を予定している。


ジャパンライフ

全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会の会見(6月4日)

 TSR情報とは

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

【破綻の構図】マツオインターナショナル~膨らんだ債務と抜本再生への移行~

婦人服ブランド「ヴィヴィアン タム」「慈雨(じう)」「t.b2」などを展開し、ピーク時には国内外で約400店を構えていたマツオインターナショナル(株)(TSRコード:292635265、以下マツオ)が12月11日、大阪地裁に会社更生法の適用を申請した。

2

  • TSRデータインサイト

交響楽団の収益悪化、来場者戻らずコスト上昇 ~ 綱渡りの自助経営、草の根のムーブメントへの期待 ~

交響楽団が存立の危機に立たされている。多くの交響楽団で収入が落ち込んでおり、赤字が目立つ。会場費や団員などの人件費、楽器の輸送コストなどが上昇のうえ、寄附金や補助金による収入は頭打ちで綱渡りの運営だ。東京商工リサーチは、3期連続で業績が比較できる20団体を調査した。

3

  • TSRデータインサイト

地場スーパー倒産 前年同期の1.5倍に大幅増 地域密着型も値上げやコスト上昇に勝てず

2025年1-11月の「地場スーパー」の倒産が22件(前年同期比46.6%増)と、前年同期の約1.5倍で、すでに前年の年間件数(18件)を超えた。

4

  • TSRデータインサイト

長渕剛さん側、イベント会社の破産申立に続き代表を刑事告訴 ~長渕さん「徹底追求」、イベント会社代表「横領でない」と反論~

歌手の長渕剛さんが代表を務める個人事務所の(株)オフィスレン(渋谷区)が、イベント運営を委託していたダイヤモンドグループ(株)(東京都中央区)の代表を業務上横領罪で刑事告訴したことがわかった。東京商工リサーチの取材で長渕さん側が明らかにした。

5

  • TSRデータインサイト

「ペット・ペット用品小売業」倒産が過去2番目の14件 実質賃金の低迷と物価高がペットの世界にも影響

2025年11月の「ペット・ペット用品小売」の倒産は、1件(前年同月ゼロ)にとどまったが、1-11月累計は14件(前年同期比27.2%増)に達した。

TOPへ