民事再生のリファクトリィ、「粉飾があったのは事実」
5月29日に東京地裁に民事再生法の適用を申請した(株)リファクトリィ(TSR企業コード:293087890、東京都中央区、田中一郎社長)の債権者説明会が、6月3日午後1時30分より都内で開催された。
会社側からは田中社長のほか、申請代理人の柴原多弁護士(西村あさひ法律事務所)らが出席。オブザーバーとして、監督委員の川瀬庸爾弁護士(濱田法律事務所)も参加した。債権者は約300名が集まった。
冒頭、田中社長がお詫びを述べ、民事再生手続の方針が固まった後、しかるべき時期に経営責任を取るとの意向を示した。
続いて、柴原弁護士から民事再生法の申請に至った経緯が説明された。柴原弁護士は、「会社から2019年5月中旬に相談を受けた後、5月27日にバンクミーティングを開催。状況を説明し、金融機関とリース会社に対して支払猶予を要請した。取引先に迷惑をかけない私的整理も検討したが、金融機関21行、リース会社9社と取引数が多く、私的整理は難しいとの意見が出た。最終的に金融機関との交渉がまとまらず、民事再生法の適用を申請した」と説明した。
今後について、柴原弁護士は「M&Aの専門会社にスポンサー選定を依頼しており、7月中に選定をしたい。事業継続が困難な店舗の見直しを進める。派遣・代行契約については7月中旬までは契約の継続をお願いしたい」と述べた。
今後の決済条件については、従前どおりの条件での支払いする旨の説明があり、質疑応答を経て午後2時40分に散会した。
主な質疑応答は以下の通り。
Q.店舗の継続と撤退はいつ決まるのか?
A.6月中に決めたい。
Q.粉飾決算があったとの報道があるが、金融支援は受けられるのか?また、スポンサーの見通しは?
A.粉飾があったのは事実。調査を進め、スポンサーには実態ベースの決算書で判断してもらう。
Q.5月27日にバンクミーティングを開催した意味はあったのか。不透明な中での民事再生では困る。更生法のように厳しい管理体制にしてほしい。
A.不適切な会計があったのは事実。田中社長に長々と経営を続けてもらう意思はない。スポンサーを早期に選定したい。
Q.粉飾に関連して私的流用や社外流出はあったのか?
A.現状はないと聞いている。調査は適正に行う。
Q.スポンサーの選定状況は?
A.現在20~30社に声をかけている。そのうち2~3社からは好感触を得ている。
Q:粉飾決算の(内容を)説明をしてほしい。首謀したのは田中社長だけなのか。
A:社長1人で行っていた。
(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2019年6月5日号掲載予定「取材の周辺」を再編集)