• TSRデータインサイト

五洋インテックスなど決算発表の延期が相次ぐ

 

インテリア専門商社の五洋インテックス(株)(TSR企業コード:490039510、JASDAQ、以下五洋社)は5月13日、同日予定していた2019年3月期決算の発表を延期した。
 4月に就任した役員による構造改革や業務改善を織り込んだ経営計画を作成しており、2019年3月期において資産の収益計画を見直したところ、収益性を精査する必要が生じた。5月24日までに決算を開示する予定。
 五洋社は2018年11月、経営不振や不適正な会計処理によるコンプライアンス、ガバナンスの軽視などを理由として、株主から社長、監査役の解任、新たな取締役の選任を目的とした臨時株主総会召集の株主提案を受けた。
 2019年3月19日に開催が決まっていた臨時株主総会は、3月4日開催の五洋社取締役会で中止を決議。新役員候補者が医療ビジネスを含む新規事業を強化することに主眼を置いているのに対し、五洋社は不適切な会計処理の要因となった事業として廃止を予定しており、方針の相違などから臨時株主総会の開催を見送る決議をした。
 だが、召集請求者が名古屋地方裁判所に株主総会召集許可を申し立て、裁判所から5月10日までに召集できる決定が下りた。これを受け、五洋社は4月28日に臨時株主総会を開催。株主提案が可決され、大脇社長を解任したほか、取締役2名と監査役1名を選任した。新たに選任された役員のもと経営計画を作成しているなかで、収益性を精査する必要が生じた。

 また、音響機器のオンキヨー(株)(TSR企業コード:576419524、JASDAQ)は5月15日、同日に予定していた2019年3月期決算の発表を延期した。
 業績不振が続くオンキヨーは、「デノン」などのブランドを傘下に持つ、Sound United LLC(アメリカ)グループとの間で、ホームAV事業の譲渡に向けた協議を始めた。これに伴う、業績数値などの精査に時間がかかるため、決算発表を延期した。5月24日までに決算を開示する予定。
 そのほか、決算発表を延期した主な企業は図表の通り。


決算発表を延期した主な企業一覧

決算発表を延期した主な企業一覧

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2019年5月20日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)

 TSR情報とは

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月の「人手不足」倒産が過去最多 「従業員退職」が前年の1.6倍増、初の年間300件超へ

2025年9月に「人手不足」が一因となった倒産は、調査を開始した2013年以降では月間最多の46件(前年同月比109.0%増)を記録した。また、2025年1-9月累計も、過去最多の285件(前年同期比31.3%増)に達し、人手不足はより深刻さを増していることがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

ケーキや和菓子は「高値の花」に、スイーツ店が苦境 倒産は過去20年で最多ペース、競合商品も台頭

街のスイーツ店が苦境に陥っている。材料コストの上昇、酷暑、人手不足が重なり、商品値上げによる高級化も購入機会の減少につながったようだ。2025年1-9月の菓子製造小売の倒産は、過去20年で最多の37件に達した。

3

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月「後継者難」倒産が過去2番目 332件 高齢化が加速、事業承継の支援が急務

代表の高齢化が進み、後継者が不在のため事業に行き詰まる企業が高止まりしている。2025年1-9月の「後継者難」倒産(負債1,000万円以上)は332件(前年同期比4.5%減)で、2年ぶりに前年同期を下回った。だが、2025年は過去最多だった前年同期の348件に次ぐ、過去2番目の高水準だった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査

全国160万5,166社の“メインバンク”は、三菱UFJ銀行(12万7,264社)が13年連続トップだった。2位は三井住友銀行(10万1,697社)、3位はみずほ銀行(8万840社)で、メガバンク3行が上位を占めた。

5

  • TSRデータインサイト

2025年度上半期の「円安」倒産30件 仕入コスト上昇が卸売業を直撃

2025年度上半期(4-9月)の「円安」関連倒産は、30件(前年同期比31.8%減)だった。上半期では、2022年度以降の円安では前年度の44件に次いで、2番目の高水準になった。

TOPへ