• TSRデータインサイト

maneoマーケット、社長の退任やスポンサー選定など経営体制の見直し検討

 ソーシャルレンディング最大手のmaneoマーケット(株)(TSR企業コード:297202863、千代田区)は3月29日、代表取締役社長の瀧本憲治氏の役員からの退任やスポンサー企業の選定など全般的な経営体制の見直しの検討を進めていることを公表した。
 maneoマーケットは2018年7月、ファンドの虚偽記載などで金融庁から業務改善命令を受けていた。同年12月、業務改善に対する助言などを行う経営改善委員会が組織され、今回、経営改善に向けた提言書の骨子をmaneoマーケットは受け取った。
 提言書では、投資家保護が徹底される経営体制の構築や営業者及び個別の投資案件に対する審査の厳正化、投資家への正確な開示、業務改善計画に沿った対応、営業者によるファンド資金分配の適切な対応などをあげている。
 さらに提言書には瀧本社長の業務へのけん制もあげられている。そのため、maneoマーケットは瀧本社長の退任と同氏が保有する株式を売却することを検討。株式を売却するスポンサー企業の選定を進めていることも明らかにした。
 スポンサーには金融商品取引業者か金融商品取引法に精通した経営陣を有し、現経営陣と利害関係を有しないことなどの選定基準に沿ってすでに複数のスポンサー企業からの提案を検討しているという。
 maneoマーケットは3月8日、投資家から訴訟が提起されたほか、多発するファンドの延滞などが影響して信用が低下している。業界最大手ソーシャルレンディング業者として、社長退任やスポンサー選定など抜本的に管理態勢を変更し、信頼回復を目指していく。


 TSR情報とは

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「社長の出身大学」 日本大学が15年連続トップ 40歳未満の若手社長は、慶応義塾大学がトップ

2025年の社長の出身大学は、日本大学が1万9,587人で、15年連続トップを守った。しかし、2年連続で2万人を下回り、勢いに陰りが見え始めた。2位は慶応義塾大学、3位は早稲田大学と続き、上位15校まで前年と順位の変動はなかった。

2

  • TSRデータインサイト

内装工事業の倒産増加 ~ 小口の元請、規制強化で伸びる工期 ~

内装工事業の倒産が増加している。業界動向を東京商工リサーチの企業データ分析すると、コロナ禍で落ち込んだ業績(売上高、最終利益)は復調している。だが、好調な受注とは裏腹に、小・零細規模を中心に倒産が増加。今年は2013年以来の水準になる見込みだ。

3

  • TSRデータインサイト

文房具メーカー業績好調、止まらない進化と海外ファン増加 ~ デジタル時代でも高品質の文房具に熱視線 ~

東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースによると、文房具メーカー150社の2024年度 の売上高は6,858億2,300万円、最終利益は640億7,000万円と増収増益だった。18年度以降で、売上高、利益とも最高を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

ゴルフ練習場の倒産が過去最多 ~ 「屋外打ちっぱなし」と「インドア」の熾烈な競争 ~

東京商工リサーチは屋外、インドア含めたゴルフ練習場を主に運営する企業の倒産(負債1,000万円以上)を集計した。コロナ禍の2021年は1件、2022年はゼロで、2023年は1件、2024年は2件と落ち着いていた。 ところが、2025年に入り増勢に転じ、10月までの累計ですでに6件発生している。

5

  • TSRデータインサイト

解体工事業の倒産が最多ペース ~ 「人手と廃材処理先が足りない」、現場は疲弊~

各地で再開発が活発だが、解体工事を支える解体業者に深刻な問題が降りかかっている。 2025年1-10月の解体工事業の倒産は、同期間では過去20年間で最多の53件(前年同期比20.4%増)に達した。このペースで推移すると、20年間で年間最多だった2024年の59件を抜いて、過去最多を更新する勢いだ。

TOPへ