• TSRデータインサイト

鳥貴族、上場後初の赤字へ

 (株)鳥貴族(TSR企業コード:571700365、大阪市浪速区、東証1部)は3月8日、2019年7月期中間決算と通期業績予想の修正を発表した。通期業績は黒字予想から一転、当期利益を3億5600万円の赤字予想とした。価格改定後の売上不振のほか、不採算店の閉鎖費用が嵩み通期業績予想を下方修正した。当期利益が赤字になるのは上場後、初めて。
 2019年7月期通期の業績予想は、売上高358億6400万円(前回予想比5.5%減)、営業利益6億7800万円(同61.1%減)、経常利益6億800万円(同63.0%減)、当期利益▲3億5600万円(前回予想7億4700万円の黒字)と大幅な下方修正となった。

 2021年7月期に「3商圏1000店舗」の目標を掲げていたが、人件費等のコスト増から2017年10月に28年ぶりの価格改定を実施した。だが、この値上げで客足が遠のき、台風21号の営業日減も響いた。
 店舗の再構築を進め、21店舗の閉鎖を予定している。このため業績予想を下方修正し、中期経営計画「うぬぼれチャレンジ1000店舗・営業利益率8%」は「営業利益率8%」を残し、取り下げることも決議した。
 目標達成のため、(1)店舗網、(2)「鳥貴族」ブランド、(3)コスト管理体制、の再構築を進めて行くことを検討している。鳥貴族の担当者は、「地区限定の日替わり商品の提供やフェアメニューの展開で客数回復を目指していく」とコメントした。

 2019年7月期中間決算は、売上高178億4300万円(前年同期比8.1%増)、営業利益3億5900万円(同59.7%減)、経常利益3億4000万円(同60.2%減)、四半期純利益5300万円(同90.2%減)と増収減益でも黒字を維持していた。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月の「人手不足」倒産が過去最多 「従業員退職」が前年の1.6倍増、初の年間300件超へ

2025年9月に「人手不足」が一因となった倒産は、調査を開始した2013年以降では月間最多の46件(前年同月比109.0%増)を記録した。また、2025年1-9月累計も、過去最多の285件(前年同期比31.3%増)に達し、人手不足はより深刻さを増していることがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

ケーキや和菓子は「高値の花」に、スイーツ店が苦境 倒産は過去20年で最多ペース、競合商品も台頭

街のスイーツ店が苦境に陥っている。材料コストの上昇、酷暑、人手不足が重なり、商品値上げによる高級化も購入機会の減少につながったようだ。2025年1-9月の菓子製造小売の倒産は、過去20年で最多の37件に達した。

3

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月「後継者難」倒産が過去2番目 332件 高齢化が加速、事業承継の支援が急務

代表の高齢化が進み、後継者が不在のため事業に行き詰まる企業が高止まりしている。2025年1-9月の「後継者難」倒産(負債1,000万円以上)は332件(前年同期比4.5%減)で、2年ぶりに前年同期を下回った。だが、2025年は過去最多だった前年同期の348件に次ぐ、過去2番目の高水準だった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査

全国160万5,166社の“メインバンク”は、三菱UFJ銀行(12万7,264社)が13年連続トップだった。2位は三井住友銀行(10万1,697社)、3位はみずほ銀行(8万840社)で、メガバンク3行が上位を占めた。

5

  • TSRデータインサイト

2025年度上半期の「円安」倒産30件 仕入コスト上昇が卸売業を直撃

2025年度上半期(4-9月)の「円安」関連倒産は、30件(前年同期比31.8%減)だった。上半期では、2022年度以降の円安では前年度の44件に次いで、2番目の高水準になった。

TOPへ