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ソーシャルレンディングmaneo、新たに20億円のファンド延滞を公表

 ソーシャルレンディング最大手のmaneoマーケット(株)(TSR企業コード:297202863、東京都)が12月3日夜、9時過ぎに「延滞発生に関するご報告」をリリースした。
リリースによると、「ガイアファンディング向けの全ファンド20億5,033万円が期限の利益を喪失した」という。
maneoマーケットは11月1日、20億円を超える延滞を公表したばかり。同社と連携しているガイアファンディング(株)(TSR企業コード:015391450、東京都)だけでなく、(株)グリーンインフラレンディング(TSR企業コード:018611222、東京都)、(株)Cash Flow Finance(TSR企業コード:022745793、東京都)もすでに延滞が発生している。
maneoマーケットは今年7月、ファンドの取得勧誘に関する表示やファンド管理の問題で金融庁より業務改善命令を受けている。
12月3日には弁護士らの経営改善委員会の設置を公表し、業務運営態勢の再構築を進める方針だが、急成長を続けてきたmaneoマーケットに綻びが生じ始めている。

12月3日に公表したファンドからの延滞は、11月28日に発生した(名称非公開の)投資先からの元利金の未回収だ。
すでにガイアファンディングのファンドは11月1日や同月22日にmaneoマーケットが延滞を公表し、問題が表面化していた。
ガイアファンディングのファンドの延滞問題が発覚してから1カ月経過したが、maneoマーケットはファンドの実態把握が進んでいない。
maneoマーケットが今回の延滞を公表したのは未回収期日の11月28日から3日営業日経過した12月3日夜だった。
今回の延滞したファンドの募集要項には、ガイアファンディングが関連のSPC(特定目的会社)に融資するスキームと記載されている。しかし、「現地の最終貸付先への貸付までには3社(ガイアファンディングの海外子会社、海外関連会社、米国関連会社)を経由」(リリース資料)としている。これらのファンド募集に関する情報が適切だったか検証の必要がある。
さらに、maneoマーケットは今回の延滞について、「最終貸付先からの返済の遅延なのか、または3社のいずれかの法人に資金が滞留しているのか継続して確認中」(同)としている。
11月22日公表の延滞から、どの法人で返済が遅延したのか調査はほとんど進展していない。maneoマーケットはガイアファンディングに内容証明を発送し、ガイアファンディングは弁護士がこの件を受任しているが12月3日時点で回答は得られていないという。

投資家から資金を集め、社名非公開の企業に融資し利息を得るスキームは、新たな資金調達の枠組みとして急成長している。
それを管理するソーシャルレンディング会社は投資家にできる限り投資先の情報とリスクを開示する必要がある。情報公開が早く、正しくなされなければ、投資家保護とかけ離れた「ポンジスキーム」になりかねない。
ソーシャルレンディング業界を引っ張ってきたmaneoマーケットは、率先して透明性の高い健全な仕組みを作るべきだ。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年12月5日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)


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