• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

検査データ改ざんのKYB、2019年3月期4-9月決算が大幅赤字に転落

 11月6日、検査データの改ざんで揺れるKYB(株)(TSR企業コード:290030463、東証1部)は2019年3月期第2四半期決算を公表した。
 4-9月期の累計業績(連結)は、国内外の建設機械市場が活発だったことから、売上高は2,027億8,900万円(前年同期比7.0%増)だった。損益は、免震・制振用オイルダンパーの検査データ改ざんに伴い製品保証引当金繰入額144億2,500万円を計上。また、これらの製造・販売を手掛ける連結子会社のカヤバシステムマシナリー(株)(TSR企業コード:291153704)の有形固定資産の減損を実施し、20億4,300万円の損失を計上した。さらに、アメリカ子会社に提起されていた集団訴訟で、一部原告との和解費用約43億円を計上したため、当期純利益は119億7,200万円の赤字(前年同期は72億3,900万円の黒字)となった。
 製品保証引当金は免震装置7,550本、制振装置3,378本を対象に計上。引当金144億2,500万円の内訳は、免震装置分は交換用製品の製造原価と工事費用として約127億円、制振装置分は製造原価約17億円。交換工事に伴う商業施設などの休業補償や制振装置の工事費用は、現時点での算出が困難なため計上していない。アメリカ子会社の集団訴訟について、KYBの担当者は東京商工リサーチの取材に「(今回の和解は)残念ながら全面解決ではない。今後、さらに関連損失が出ないと言い切ることは出来ない」と話した。損失が出る可能性への引当金は、現時点で計上されていない。
 なお、今回公表の4-9月期損益計算書(連結)で、金融費用が14億4,500万円(前年同期は5億2,300万円)と大きく膨らんだ。これは「増加分の大半は為替差損が占めている。支払利息の増加はない」(KYBの担当者)と説明している。
 また、KYB Europe Headquarters B.V. (以下、KEH オランダ)を解散すると発表した。KEHオランダは、ヨーロッパ地域の統括会社で、解散に伴い2019年3月期通期決算で28億円をその他の収益に計上する予定。KYBの担当者は、「ヨーロッパ地域の効率化を目的に2年前から再編の検討を進めていた」とし、今後のさらなる再編の可能性について「現時点で明確にみえているものはない」とコメントした。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年11月8日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)


 TSR情報とは

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「最低賃金」改定で、51.3%の企業が「給与変更」 2020年代の1,500円 「対応不可能」が4割切る

厚生労働省は9月3日、2026年度の全国の最低賃金額(平均)を1,177円(56円増)に引き上げた。 1978年度に目安制度が始まって以降、平均引き上げ額56円は前年度に続き2番目の高さで、これを受けて給与改定を迫られる企業が半数に達することがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

1-9月「医療機関」倒産 過去最多の59件 身近なクリニック、歯科医院で苦境が鮮明

医療機関の倒産が再び勢いを増している。2026年1月-9月に倒産した病院・クリニック(診療所)・歯科医院などの「医療機関」は59件(前年同期比28.2%増)と、過去最多を更新した。

3

  • TSRデータインサイト

「税金滞納」倒産が168件、前年同期の2倍に大幅増 2026年度上半期の「税金滞納」倒産 破産が97.6%

2026年度上半期(4-9月)の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、168件(前年同期比100.0%増)と、前年同期の2倍に達し、この10年で最多を記録した。物価や人件費などのコストアップが企業収益を圧迫し、納税原資を確保できない小・零細企業の行き詰まりに拍車を掛けている。

4

  • TSRデータインサイト

「社会保険の適用拡大」 中小・零細企業ほど負担増 企業の44.9%が「働き控え」懸念、「未対応」も半数

2026年10月から非正規従業員にも社会保険の適用が拡大された。「月収8万8,000円以上」の賃金要件が撤廃され給与額に関わらず条件を満たす社員は、新たに厚生年金や健康保険の加入対象となる。10月1~8日企業を対象に「社会保険適用の基準変更」に関するアンケート調査を実施した。

5

  • TSRデータインサイト

2026年1-9月「デイサービス」倒産47件 同期間で過去最多、介護業界の苦境鮮明

デイサービスなど「通所・短期入所介護事業」の倒産が増加している。2026年は9月までに47件(前年同期比34.2%増)と大幅に増加し、1-9月で過去最多を更新した。多様化するサービスなど、他社との競争が激化するほか、物価高に人手不足も重なり、苦境が深まっている。

TOPへ