• TSRデータインサイト

仮想通貨取引所の「Zaif(ザイフ)」事業を譲渡し仮想通貨交換業の登録を廃止へ

 9月14日、ハッキングで70億円の仮想通貨が消失した仮想通貨取引所「Zaif(ザイフ)」を運営しているテックビューロ(株)(TSR企業コード:576983667、大阪府)は10月10日、(株)フィスコ仮想通貨取引所(TSR企業コード:017738717、登記上:大阪府)に仮想通貨取引所の事業を譲渡する契約を締結したことを発表した。
事業譲渡の実行日は11月22日。テックビューロは事業譲渡の手続きが完了後、仮想通貨交換業の登録を廃止した上で解散手続を行う予定。
テックビューロは、9月14日のハッキングで金融庁より異例の3度の業務改善命令を受けている。このハッキングで顧客分の約45億円、自社保有分の25億円が流出した。このため9月20日、ジャスダック上場の(株)フィスコ(TSR企業コード:293061823、登記上:大阪府)のグループ会社から50億円の資金支援、テックビューロの過半数の株式取得などを検討する契約を締結していた。
フィスコ仮想通貨取引所は、テックビューロがハッキングで消失した顧客分の仮想通貨約45億円のうち、ビットコイン(BTC)とビットコインキャッシュ(BCH)の調達を完了している。MONAコイン(MCO)については一部を日本円で補償するという。また、「ザイフ」に残る消失していない仮想通貨などの顧客財産は保護される見通し。
「ザイフ」でビットコイン(BTC)とビットコインキャッシュ(BCH)は、簡単売買による購入や販売は継続するが、MONAコイン(MCO)の取引は10月10日、全面的に中止した。
10日、フィスコ仮想通貨取引所の担当者は東京商工リサーチの取材に対し、「本日はお答えできない」とコメントしていたが、午後7時30分過ぎに『持分法適用関連会社における事業の譲受けに関するお知らせ』をリリースしている。フィスコは、「テックビューロの倒産による資金回収不能のリスクを回避する観点や本件ハッキング被害による仮想通貨ビジネス業界全体の停滞及びマーケットの縮小を抑制するための迅速な顧客保護の観点」を譲り受けの理由にあげている。
フィスコのリリースによると、テックビューロの2018年3月期の業績は、売上高5億4,900万円、当期利益マイナス19億7,800万円、純資産3億5,500万円、総資産272億3,900万円。


テックビューロの本社

テックビューロの本社

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年10月11日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)

 TSR情報とは

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

ゴールデンウィーク明け、「退職代行サービス」の利用は慎重に

長かったゴールデンウィークが終わる。職場「復帰」を前に例年4月の新年度からGW明けにかけ、退職する人の話題が持ち上がる。この時期の退職代行サービスの利用も増加するという。4月に実施した「退職代行に関する企業向けアンケート調査」から利用するリスクの一端が浮き彫りになった

2

  • TSRデータインサイト

トーシンホールディングスの「信用調査報告書」

5月8日に東京地裁に会社更生法の適用を申請した(株)トーシンホールディングス(TSRコード:400797887、名古屋市、東証スタンダード)を取り上げる。

3

  • TSRデータインサイト

2025年度「医療・福祉事業」倒産、過去最多 ~ 健康と生活を支援する事業者の倒産急増 ~

生活に不可欠な医療機関や介護事業者の倒産が急増している。バブル経済1988年度(4-3月)以降の38年間で、2025年度は金融危機、リーマン・ショックを超える478件と最多を記録した。

4

  • TSRデータインサイト

2026年4月「人手不足」倒産 33件発生 春闘の季節で唯一、「人件費高騰」が増加

2026年4月の「人手不足」倒産は33件(前年同月比8.3%減)で、3カ月ぶりに前年同月を下回った。 4月の減少は2022年以来、4年ぶり。

5

  • TSRデータインサイト

2025年度の「早期・希望退職」 は2万781人 約7割が「黒字リストラ」、2009年度以降で4番目の高水準

2025年度に「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は46社(前年度51社)で、人数は2万781人と前年度(8,326人)の約2.5倍に急増したことがわかった。社数は前年度から約1割(9.8%減)減少したが、募集人数は2009年度以降で4番目の高水準となった。

TOPへ