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2018年3月期決算「主要151信用金庫 総資金利ざや」調査

 地域密着の信用金庫でも「総資金利ざや」の縮小が進み、「逆ざや」の信金が全体の1割強(構成比13.9%)の21信金にのぼっていることがわかった。
 主要151信用金庫の2018年3月期決算では、貸出金や余裕金等の運用収益力を表す「資金運用利回り」は、約9割の信用金庫が前年同期より低下した。マイナス金利の導入で貸出金利息や資金の運用益が落ち込み、信用金庫の資金運用は一層厳しさを増している。


  • 本調査は、2013年3月期本決算から6期連続で、「総資金利ざや」、「資金運用利回り」、「資金調達原価率」が判明した主要151信用金庫を対象に、2018年3月期決算の「総資金利ざや」を調査した。「総資金利ざや」は、(「資金運用利回り」-「資金調達原価率」)で算出されている。資料は各信用金庫のディスクロージャー誌から抽出。

資金全体の収益力を示す「総資金利ざや」

 「総資金利ざや」は、貸出金や余裕金等の運用収益力を表す「資金運用利回り」から、預金などの資金調達コストを示す「資金調達原価率」を差し引いた数値。運用・調達全体の状況を利回りの差で表し、経営効率や収益力をみる指標の一つになっている。「総資金利ざや」がプラスだと資金運用で収益を上げ、マイナスは「逆ざや」で貸出や運用で利益が出ていないことを示す。

「総資金利ざや」の中央値は0.08%、2年連続で調査開始以来の最低に並ぶ

 151信金の2018年3月期決算では、「総資金利ざや」の中央値(全データを昇順または降順に並べた場合、真ん中に位置する値)は0.08%だった。前年同期と同率で、調査開始の2013年以降、2年連続で最低にとどまった。

主要151信用金庫 3月期決算 利ざや中央値推移

主要信金の4割で「総資金利ざや」が縮小

 主要151信金の「総資金利ざや」を前年同期と比較すると、2018年3月期決算は66信金(構成比43.7%)が前年同期より縮小した。一方、前年同期より「総資金利ざや」が拡大したのは59信金(同39.0%)で、前年同期と同じが26信金(同17.2%)だった。
 「総資金利ざや」の分布状況は、最多が「0.0%以上0.1%未満」の65信金だった(同43.0%)。次いで、「0.1%以上0.2%未満」が34信金(同22.5%)と続く。

「逆ざや」は高水準の21信金

 「総資金利ざや」がマイナスの「逆ざや」は、2018年3月期決算は21信金(構成比13.9%)だった。前年同期の23信金より2信金減ったが、高水準が続いている。
 3月期決算の「逆ざや」は、調査を開始した2013年が5信金、14年が4信金、15年が5信金、16年が7信金と緩やかな増加で推移していた。だが、2017年からは一転して23信金に急増、2018年も21信金と高水準だ。「逆ざや」の急増は、金融機関の貸出競争や2016年2月の「マイナス金利」導入の影響が窺え、地域に密着した信金でも本業収益が深刻な状況にあることを示している。

約9割の信金で「資金運用利回り」が低下

 また、貸出金や余裕金等の運用収益力を表す「資金運用利回り」は、2018年3月期決算は132信金(構成比87.4%)と約9割の信用金庫が前年同期より低下した。
 2018年3月期決算の「資金運用利回り」の分布状況をみると、「1.0%以上1.2%未満」が75信金(同49.6%)で最も多かった。次いで、「1.0%未満」が43信金(同28.4%)と続く。
 3月期決算で資金運用利回り「1.0%未満」の推移をみると、2013年ゼロ、14年1信金、15年3信金だったが、16年は10信金と急増。さらに17年は19信金、18年は2.2倍増の43信金に拡大し、信用金庫の資金運用が急速に深刻さを増している姿を浮き彫りにしている。


 主要151信用金庫の2018年3月期決算では、「総資金利ざや」の中央値が前年同期と同じ0.08%で、調査開始の2013年以降では2年連続で最低水準にとどまった。
 今年8月、東京商工リサーチが発表した「銀行112行 2018年3月期決算 総資金利ざや」調査では、銀行の「総資金利ざや」の中央値は前年同期比0.02ポイント上昇の0.15%だったのに比べ、信用金庫の厳しい経営環境を浮き彫りにした。
 営業地域が限定されているなか信用金庫は、マイナス金利の導入で貸出金利息や資金の運用益が落ち込み、地域経済の疲弊が経営の厳しさに追い打ちをかけている。
 もともと信用金庫は企業に寄り添い、密接な関係を築き金利競争には強い。だが、「資金運用利回り」の低迷で、本業だけの収益力では限界が見えてきており、新たなビジネスモデルの構築が避けられなくなっているようだ。

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