• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

追跡第10弾!ケフィア事業振興会の破産、グループ会社の今後は

 会員約3万人、債権額約1,000億円を抱えて破産した(株)ケフィア事業振興会(TSR企業コード:298080745、東京都、以下ケフィア)の余波が、ケフィアグループや関係会社に広がりをみせている。
ケフィアは破産申立書には、「今後、ケフィアグループの事業活動は停滞する」と記載されている。しかし、ケフィアの2018年6月末時点の資産簿価約484億円のうち、少なくとも約330億円以上が貸付金などの名目でケフィアグループや関係会社に流出していた。

破産申立書の「ケフィアグループ」

 ケフィアの破産申立書には、今年の6月20日時点のケフィアグループ45社の会社概要一覧が記載されている。
 ケフィアが破産申請したことで、ケフィアグループは厳しい状況に陥っている。破産申立書に記載されたケフィアグループは、ほし柿の生産を手掛けていたかぶちゃんほし柿加工センター(株)(TSR企業コード: 298145901、東京都)や、柿畑の管理育成を手掛けていたかぶちゃん市田柿の里(株)(TSR企業コード: 298206790、東京都)など、ケフィアの象徴でもある「柿」に関連する企業が含まれている。

出資勧誘を否定したかぶちゃん農園の責任

 破産申立書のケフィアグループに含まれていないかぶちゃん農園(株)(TSR企業コード:296009326、長野県)の鏑木武弥社長はケフィアの破産直後、新聞インタビューに応じた。そこでは「かぶちゃん農園として、事業へ投資を募るなどの勧誘はしていない」と断言し、事業継続に意欲をみせた。
 しかし、東京商工リサーチ(TSR)が独自入手したケフィアが契約主体の「太陽光パネルオーナー」のパンフレットには、「編集 かぶちゃん農園」と記載れている。また、見出しは「かぶちゃん農園が南信州で市民参加型“太陽光の森”をつくります」と鏑木武弥氏の顔写真付きでパネルへの出資を案内している。
 会員の多くがパンフレットやホームページをみると、ケフィアとかぶちゃん農園は一体と認識しても不思議ではない。
 TSRは9月11日、かぶちゃん農園に取材を申し込んだが、担当者は「取材はお受けしていない」と拒否した。

かぶちゃんの太陽光パネルオーナー募集のパンフレット

かぶちゃんの太陽光パネルオーナー募集のパンフレット

 3万人超の会員から集めた資金が巨額に膨らんだケフィア。破産はケフィアとグループ会社を含めて4社だけ。かぶちゃん農園などは破産直前にグループから除外している。これまでケフィアから資金が流れ、信用を補完し合ってきた関係から、一転して手のひら返しで「投資勧誘はしていない」と説明されても納得する会員は少ないだろう。


(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年9月12日号「Weekly Topics」にグループ45社を掲載予定)

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「最低賃金」改定で、51.3%の企業が「給与変更」 2020年代の1,500円 「対応不可能」が4割切る

厚生労働省は9月3日、2026年度の全国の最低賃金額(平均)を1,177円(56円増)に引き上げた。 1978年度に目安制度が始まって以降、平均引き上げ額56円は前年度に続き2番目の高さで、これを受けて給与改定を迫られる企業が半数に達することがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

1-9月「医療機関」倒産 過去最多の59件 身近なクリニック、歯科医院で苦境が鮮明

医療機関の倒産が再び勢いを増している。2026年1月-9月に倒産した病院・クリニック(診療所)・歯科医院などの「医療機関」は59件(前年同期比28.2%増)と、過去最多を更新した。

3

  • TSRデータインサイト

「税金滞納」倒産が168件、前年同期の2倍に大幅増 2026年度上半期の「税金滞納」倒産 破産が97.6%

2026年度上半期(4-9月)の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、168件(前年同期比100.0%増)と、前年同期の2倍に達し、この10年で最多を記録した。物価や人件費などのコストアップが企業収益を圧迫し、納税原資を確保できない小・零細企業の行き詰まりに拍車を掛けている。

4

  • TSRデータインサイト

「社会保険の適用拡大」 中小・零細企業ほど負担増 企業の44.9%が「働き控え」懸念、「未対応」も半数

2026年10月から非正規従業員にも社会保険の適用が拡大された。「月収8万8,000円以上」の賃金要件が撤廃され給与額に関わらず条件を満たす社員は、新たに厚生年金や健康保険の加入対象となる。10月1~8日企業を対象に「社会保険適用の基準変更」に関するアンケート調査を実施した。

5

  • TSRデータインサイト

2026年1-9月「デイサービス」倒産47件 同期間で過去最多、介護業界の苦境鮮明

デイサービスなど「通所・短期入所介護事業」の倒産が増加している。2026年は9月までに47件(前年同期比34.2%増)と大幅に増加し、1-9月で過去最多を更新した。多様化するサービスなど、他社との競争が激化するほか、物価高に人手不足も重なり、苦境が深まっている。

TOPへ