• TSRデータインサイト

「チャイナリスク」関連倒産(7月)

  7月の「チャイナリスク」関連倒産は、6件(前年同月比20.0%増)で2カ月ぶりに前年同月を上回った。負債総額は10億5,400万円(同29.2%減)だった。負債額10億円以上の大型倒産は発生がなく、件数は増加したが負債総額は前年同月を下回った。
 なお、倒産に集計されない事業停止や破産準備中などの「実質破綻」は、7月は発生しなかった(前年同月もゼロ)。


  • 「チャイナリスク」関連の集計基準
    「チャイナリスク」関連の経営破綻は、破綻の原因が次の8項目のどれかに該当するものを集計している。
    1. コスト高(人件費、製造コストの上昇、為替変動など)
    2. 品質問題(不良品、歩留まりが悪い、模倣品、中国生産に対する不信など)
    3. 労使問題(ストライキ、工場閉鎖、設備毀損・破棄など)
    4. 売掛金回収難(サイト延長含む)
    5. 中国景気減速(株価低迷、中国国内の消費鈍化、インバウンドの落ち込みなど)
    6. 反日問題(不買、取引の縮小、暴動など)
    7. 価格競争(中国の在庫調整に伴う相場下落、安価製品との競合など)
    8. その他

チャイナリスク関連倒産月次推移

 7月のチャイナリスク関連倒産は6件で、2カ月ぶりに前年同月を上回った。2018年1-7月累計は前年同期同数の31件、負債総額は103億6,400万円(前年同期比46.0%減)で、チャイナリスク関連倒産は2016年をピークに沈静化の様相をみせている。
 2018年1-7月のチャイナリスク関連倒産をみると、倒産要因の最多は「価格競争」の14件(構成比45.1%)で半数近くを占めた。靴下卸売を手掛けていた寺沢靴下(株)(TSR企業コード:490047688、愛知県、負債1億7,000万円)は、中国製の安価な輸入品に押され業績が悪化したことに加え、得意先の廃業で販路を喪失したことから7月19日、名古屋地裁一宮支部から破産開始決定を受けた。
 中国の低価格品の流入は自社商品との競合だけでなく、取引先にも影響が及び、直接間接に自社業績を左右する「ダブルパンチ」となる。中国企業と扱い品が競合関係にある場合、サプライチェーンや流通経路を含め、多角的な分析と対応が必要になっている。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

破産の全東信、20年前から粉飾決算か=600億円超の債務超過のおそれ

決済代行を手掛けていた(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪市中央区)の破産劇の裏側がわかってきた。東京商工リサーチ(TSR)の取材で、業績悪化を隠すために、多額の預金の架空計上に手を染めていた実態がみえてきた。

2

  • TSRデータインサイト

全東信の破産、焦付不可避と機会損失 ~外食団体、「セーフティネット保証1号」適用を要請~

クレジットカード決済代行を手掛けていた(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪市中央区)の破産の余波が広がっている。7月6日に負債1,259億円(2025年3月期決算時点)を抱え、大阪地裁から破産開始決定を受けて以降、取引金融機関が取り立て不能等を次々と開示している。

3

  • TSRデータインサイト

全東信の粉飾、資本と営業権と不動産から読み解く

大手決済代行の(株)全東信の粉飾は見抜けたのか。破産したいま、過去の決算書を基に違和感を指摘するのは難しくない。預金残高の水増しや債権の架空計上など、全東信はありきたりの手口に手を染めていた。

4

  • TSRデータインサイト

準自己破産の全東信、近畿産業信組が219億円貸出

大手決済代行の(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪府)の資金調達先が東京商工リサーチ(TSR)の取材で判明した。

5

  • TSRデータインサイト

止まらない建設業の倒産、職別工事が総合工事を抜く ~ 施工力が「希少資源」、動き始めた内製化 ~

2025年の建設業の倒産は、2,014件(前年比4.6%増)で、4年連続で前年を上回り、2013年(2,421件)以来、12年ぶりに2,000件を超えた。 コロナ禍の2021年に1,065件と2000年以降では最少を記録。その後は増勢に転じ、わずか4年で約2倍に増加した。

TOPへ