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アロマセラピーのガイア・エヌピー(東京)が「支払い猶予」を通知

 7月に入り、「GAIA」ブランドのアロマセラピー関連商品を手がけるガイア・エヌピー(株)(TSR企業コード: 295293616、東京都)と連絡が取れないとの問い合わせが東京商工リサーチ(TSR)に多く寄せられている。
ガイア・エヌピーは、アロマセラピー関連商品のほか、ノンシリコンシャンプー、天然素材をベースとした各種美容液などの製造販売を手がけ、2017年8月期の売上高は約5億5,810万円をあげていた。
2012年6月には、農商工等連携促進法に基づいた「農商工等連携事業計画」(中小企業と農林漁業者が連携、それぞれの得意分野を活かして新商品の開発や生産を行う)の認定を受け、長野県駒ケ根市に自社工場を開設。地元農場と連携し、地元で栽培された薬草を用いた化粧品開発にも乗り出している。

本社に人影はない


TSRへの問い合わせが増えだした7月3日、ガイア・エヌピーの本社を訪問すると、人影はない。貼り紙などはないものの、入口は閉鎖されていた。
取引先の1社はTSRの取材に対し、「7月2日に6月末の入金がなかったことがわかり急遽、ガイア・エヌピー本社に駆け付けたが事務所は閉まっていた」と話し、通知や連絡が一切ないことに困惑の表情を浮かべていた。その後の取材で、駒ケ根工場の従業員は「7月の第1週は休み」と会社から言われ、待機していることが判明した。
週が明けた7月9日、ガイア・エヌピーの本社を再度訪問したが、入口は閉ざされていた。

ガイア・エヌピーが入居するビル

ガイア・エヌピーが入居するビル

取引先への通知

その後、ガイア・エヌピーとは1週間以上も連絡が取れない状態が続いた。しかし、7月11日、一部取引先に「債務のお支払いに関するお詫びとお知らせ」と題する文書がFAXにより通知された。
文書は、6月分の支払いが滞っているお詫びと今月末まで支払い猶予を要請する内容で、今後の支払いは方針が決まり次第連絡すると記載されている。取引先が受領後に連絡を試みたものの、コンタクトは取れていないという。
通知には6月分の支払い遅延の理由や支払方法は記載がなく、目が離せない状況が続いている。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年7月13日号掲載予定「取材の周辺」を再編集)


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