• TSRデータインサイト

「はれのひ」が破産廃止

 6月20日付ではれのひ(株)(TSR企業コード:872372723、横浜市、篠﨑洋一郎社長)の破産手続きが廃止された。はれのひは、1月8日の成人式当日に突如、事業を停止し、振袖を購入やレンタルしていた新成人を中心に多くの被害が生じた。
 破産廃止の理由は、「破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足する」(6月29日付官報)ため。6月20日に横浜市内で開催された債権者集会では、はれのひが所有していた振袖などの換価(売却)額は1,620万円であったのに対し、税金や社会保険料などの租税公課が7,800万円、借入金が4億200万円、買掛金が1億8,100万円などであることが明かされ、一般債権者(被害者)への配当が難しい旨が説明されていた。
 はれのひの破産管財人を務める増田尚弁護士(多摩川法律事務所)は6月29日、東京商工リサーチの取材に対し「法人の破産事件としては一つの区切りだが、篠﨑社長の逮捕など事件全体は終わりではない」と述べた。
 篠﨑社長は、個人の破産は未だに申請していない。「詐欺的」だったことが明らかとなれば、破産しても免責されないこともあり、被害を受けた新成人などが今後も篠崎社長の責任を追及する可能性もある。

会見に応じる篠﨑社長(1月26日撮影)

会見に応じる篠﨑社長(1月26日撮影)

>(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年7月2日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)


 TSR情報とは

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「社長の出身大学」 日本大学が15年連続トップ 40歳未満の若手社長は、慶応義塾大学がトップ

2025年の社長の出身大学は、日本大学が1万9,587人で、15年連続トップを守った。しかし、2年連続で2万人を下回り、勢いに陰りが見え始めた。2位は慶応義塾大学、3位は早稲田大学と続き、上位15校まで前年と順位の変動はなかった。

2

  • TSRデータインサイト

内装工事業の倒産増加 ~ 小口の元請、規制強化で伸びる工期 ~

内装工事業の倒産が増加している。業界動向を東京商工リサーチの企業データ分析すると、コロナ禍で落ち込んだ業績(売上高、最終利益)は復調している。だが、好調な受注とは裏腹に、小・零細規模を中心に倒産が増加。今年は2013年以来の水準になる見込みだ。

3

  • TSRデータインサイト

文房具メーカー業績好調、止まらない進化と海外ファン増加 ~ デジタル時代でも高品質の文房具に熱視線 ~

東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースによると、文房具メーカー150社の2024年度 の売上高は6,858億2,300万円、最終利益は640億7,000万円と増収増益だった。18年度以降で、売上高、利益とも最高を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

ゴルフ練習場の倒産が過去最多 ~ 「屋外打ちっぱなし」と「インドア」の熾烈な競争 ~

東京商工リサーチは屋外、インドア含めたゴルフ練習場を主に運営する企業の倒産(負債1,000万円以上)を集計した。コロナ禍の2021年は1件、2022年はゼロで、2023年は1件、2024年は2件と落ち着いていた。 ところが、2025年に入り増勢に転じ、10月までの累計ですでに6件発生している。

5

  • TSRデータインサイト

解体工事業の倒産が最多ペース ~ 「人手と廃材処理先が足りない」、現場は疲弊~

各地で再開発が活発だが、解体工事を支える解体業者に深刻な問題が降りかかっている。 2025年1-10月の解体工事業の倒産は、同期間では過去20年間で最多の53件(前年同期比20.4%増)に達した。このペースで推移すると、20年間で年間最多だった2024年の59件を抜いて、過去最多を更新する勢いだ。

TOPへ