• TSRデータインサイト

スルガ銀行が決算訂正、貸倒引当金を203億円積み増し

 6月6日、スルガ銀行は5月15日に公表していた2018年3月期連結決算を訂正した。シェアハウス関連融資の回収可能性を精査した結果、貸倒引当金48億2,500万円を追加で計上した。また、シェアハウス以外の投資用不動産関連融資でも155億2,100万円の貸倒引当金を積み増した。
 この結果、2018年3月期の連結純利益は従来公表していた210億6,500万円から69億8,800万円へ大幅に下方修正した。
 スルガ銀行は、4月に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した(株)スマートデイズ(TSR企業コード:294730672、のちに破産)が展開していたシェアハウス「かぼちゃの馬車」や、5月に同地裁より破産開始決定を受けたゴールデンゲイン(株)(TSR企業コード:014435802)のシェアハウス向けに多くの融資を実行している。
 また、東京商工リサーチの取材では、(株)ガヤルド(TSR企業コード:294701176)が展開するミニアパート向けの融資も実行している。ガヤルドは複数のオーナーに対するサブリース賃料の支払いがストップしている。

決算訂正したスルガ銀行

決算訂正したスルガ銀行

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月の「人手不足」倒産が過去最多 「従業員退職」が前年の1.6倍増、初の年間300件超へ

2025年9月に「人手不足」が一因となった倒産は、調査を開始した2013年以降では月間最多の46件(前年同月比109.0%増)を記録した。また、2025年1-9月累計も、過去最多の285件(前年同期比31.3%増)に達し、人手不足はより深刻さを増していることがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

ケーキや和菓子は「高値の花」に、スイーツ店が苦境 倒産は過去20年で最多ペース、競合商品も台頭

街のスイーツ店が苦境に陥っている。材料コストの上昇、酷暑、人手不足が重なり、商品値上げによる高級化も購入機会の減少につながったようだ。2025年1-9月の菓子製造小売の倒産は、過去20年で最多の37件に達した。

3

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月「後継者難」倒産が過去2番目 332件 高齢化が加速、事業承継の支援が急務

代表の高齢化が進み、後継者が不在のため事業に行き詰まる企業が高止まりしている。2025年1-9月の「後継者難」倒産(負債1,000万円以上)は332件(前年同期比4.5%減)で、2年ぶりに前年同期を下回った。だが、2025年は過去最多だった前年同期の348件に次ぐ、過去2番目の高水準だった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査

全国160万5,166社の“メインバンク”は、三菱UFJ銀行(12万7,264社)が13年連続トップだった。2位は三井住友銀行(10万1,697社)、3位はみずほ銀行(8万840社)で、メガバンク3行が上位を占めた。

5

  • TSRデータインサイト

2025年度上半期の「円安」倒産30件 仕入コスト上昇が卸売業を直撃

2025年度上半期(4-9月)の「円安」関連倒産は、30件(前年同期比31.8%減)だった。上半期では、2022年度以降の円安では前年度の44件に次いで、2番目の高水準になった。