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スルガ銀行、貸倒引当金の積み増しで大幅減益

 地方銀行のスルガ銀行(TSR企業コード:449001504、沼津市、米山明広社長、東証1部)は5月15日、2018年3月期の決算を発表した。経常収益(連結)は、1,562億7,800万円(前期比7.2%増)で、貸出金利息の増加や株式等売却益が寄与した。
 一方、経常利益は308億7,100万円(同46.9%減)、当期純利益は210億6,500万円(同50.5%減)と半減した。これはシェアハウス関連融資等で貸倒引当金を積み増し、与信費用が増加したため。

 スルガ銀行は、5月15日に東京地裁から破産開始決定を受けた(株)スマートデイズ(TSR企業コード:294730672)が展開していた「かぼちゃの馬車」などのシェアハウス向けで融資実績を伸ばしている。同日、スルガ銀行危機管理員会が公表した資料によると、シェアハウス向け融資の顧客数は1,258名、融資総額は2,035億8,700万円に上っている。危機管理委員会は、同行の横浜東口支店の複数の行員がオーナーの自己資金水増しを認識していた可能性を指摘。同時に、「営業が審査部より優位に立ち、営業部門の幹部が融資の実行に難色を示す審査部担当者を恫喝するなど、圧力をかけた」と内部統制の不全を公表している。

スルガ銀行横浜東口支店(4月撮影)

スルガ銀行横浜東口支店(4月撮影)

 スルガ銀行から融資を受けたシェアハウスのオーナーの一人は、東京商工リサーチ(TSR)の取材に応じ、「シェアハウス取得に際し、スルガ銀行から金利3.5%で融資を受けたが、金利7.5%のフリーローン契約を同時に迫られた」と話している。これがどこまで広がっていたか不明だが、融資とフリーローンを実質セットにして高い収益性の原動力の一つにしていた可能性も浮上している。
 2019年3月期の業績予想(連結)は、経常利益365億円、当期純利益250億円と増益を見込んでいる。15日夕方、TSRの取材に応じたスルガ銀行の担当者は、「シェアハウス関連の貸倒引当金は2018年3月期で現状のすべてを見積もっており、2019年3月期の業績予想にシェアハウス関連の影響は現状のところ考慮していない」と説明。その上で、「これまでも想定外(の貸倒引当金)があったので、現状のところ、としか言えない」と先行きの不透明さを含ませた。

 TSRの取材では、同行の融資はスマートデイズ以外にもSAKT Investment Partners(株)(TSR企業コード:298434628)やゴールデンゲイン(株)(TSR企業コード:014435802)、(株)ガヤルド(TSR企業コード:294701176)などのサブリース業者が手がけるシェアハウスやミニアパート向けでも確認されている。
 スマートデイズ被害弁護団にオブザーバーとして参加する加藤博太郎弁護士(わたなべ法律会計事務所)は6日、TSRの取材に対し、「融資申し込み資料が改ざんされており、スルガ銀行はオーナーの実際の資産背景をすべて把握できていないはずだ。シェアハウスの担保価値も著しく低く、積み増された貸倒引当金は何を根拠に算出したのかわからない」と話す。また、「来週、ゴールデンゲインと関係者の集団提訴も予定しており、この中でゴールデンゲインとスルガ銀行の関係の解明を進めたい」と述べた。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年5月17日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)


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