• TSRデータインサイト

日本トイザらス、自己資本比率が約50%に

 4月27日、玩具販売大手の日本トイザらス(株)(TSR企業コード:350937800、川崎市)は2018年1月期決算を公表した。
売上高は1,394億5,300万円(前期比0.7%減)だった。2018年1月期から会計処理を一部変更し、これまで販売管理費で計上していた割引クーポン利用分を売上高から除外したことで表面上の売上高は減少した。ただ、東京商工リサーチ(TSR)の取材に応じた日本トイザらスの担当者は、「同様の会計処理で比較した場合、2017年1月期よりも売上高は増加した」と実質増収の認識を示した。
売上総利益(粗利)は466億4,000万円(前期比3.3%減)だった。利幅が比較的薄い家庭用テレビゲーム機の販売比率が高まり、粗利率は前期の34.3%から33.4%へ約1ポイント下落した。経常利益は16億5,300万円(同50.5%減)と半減。当期純利益は22億7,400万円(同32.6%増)と大幅に増えた。これは法人税等調整額で「△16億5,300万円」を計上したため。
これにより純資産総額は331億7,300万円で、自己資本比率は49.9%(前期末は44.8%)と5.1ポイント上昇した。

3月15日に、Toys "R" Us, Inc.(DUNS:006985808、米トイザらス)は、自主再建を断念したが、日本トイザらスは引き続き黒字を維持している。日本トイザらスの株主は、ティーアールユー・ジャパン・ホールディングス・エルエルシーとティーアールユー・ジャパン・ホールディングス2・エルエルシーの2法人だが、トイザらス・アジア・リミテッド(香港、以下、トイザらスアジア)の支配下にあり、トイザらスアジアには米トイザらスが約85%を出資している。
日本トイザらスは、3月16日に取引先へ送付した書面で、今後、株主構成に変更が生じる可能性を認めている。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年5月1日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)

 TSR情報とは

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「社長の出身大学」 日本大学が15年連続トップ 40歳未満の若手社長は、慶応義塾大学がトップ

2025年の社長の出身大学は、日本大学が1万9,587人で、15年連続トップを守った。しかし、2年連続で2万人を下回り、勢いに陰りが見え始めた。2位は慶応義塾大学、3位は早稲田大学と続き、上位15校まで前年と順位の変動はなかった。

2

  • TSRデータインサイト

内装工事業の倒産増加 ~ 小口の元請、規制強化で伸びる工期 ~

内装工事業の倒産が増加している。業界動向を東京商工リサーチの企業データ分析すると、コロナ禍で落ち込んだ業績(売上高、最終利益)は復調している。だが、好調な受注とは裏腹に、小・零細規模を中心に倒産が増加。今年は2013年以来の水準になる見込みだ。

3

  • TSRデータインサイト

文房具メーカー業績好調、止まらない進化と海外ファン増加 ~ デジタル時代でも高品質の文房具に熱視線 ~

東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースによると、文房具メーカー150社の2024年度 の売上高は6,858億2,300万円、最終利益は640億7,000万円と増収増益だった。18年度以降で、売上高、利益とも最高を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

ゴルフ練習場の倒産が過去最多 ~ 「屋外打ちっぱなし」と「インドア」の熾烈な競争 ~

東京商工リサーチは屋外、インドア含めたゴルフ練習場を主に運営する企業の倒産(負債1,000万円以上)を集計した。コロナ禍の2021年は1件、2022年はゼロで、2023年は1件、2024年は2件と落ち着いていた。 ところが、2025年に入り増勢に転じ、10月までの累計ですでに6件発生している。

5

  • TSRデータインサイト

解体工事業の倒産が最多ペース ~ 「人手と廃材処理先が足りない」、現場は疲弊~

各地で再開発が活発だが、解体工事を支える解体業者に深刻な問題が降りかかっている。 2025年1-10月の解体工事業の倒産は、同期間では過去20年間で最多の53件(前年同期比20.4%増)に達した。このペースで推移すると、20年間で年間最多だった2024年の59件を抜いて、過去最多を更新する勢いだ。

TOPへ