• TSRデータインサイト

サマンサ、決算会見「販売不振と出荷遅延で2期連続の最終赤字」

 販売の落ち込みや出荷遅延などで経営不振に苦しむ(株)サマンサタバサジャパンリミテッド(TSR企業コード:293842310、港区、寺田和正社長)が4月20日、都内で決算会見を開いた。
同日午後4時から開かれた会見には、寺田社長らが出席。約100名の報道関係者やアナリストが集まった。決算説明で菅原隆司取締役が、前期(2018年2月期)が減収減益となった要因を「出荷の遅延などが解決しなかった。また、店舗整理や棚卸の廃棄などを行った」と報告した。
寺田社長は今期(2019年2月期)について、「原点回帰から原点進化へ」と意気込みを語り、成果にこだわっていく姿勢を示した。
今期はカンパニー制導入や店舗改装などの改革を進め、最終黒字化を見込んでいる。だが、業績悪化やキャッシュ減少など課題も山積し、改善の舵取りを推し進める寺田社長の手腕が注目される。

サマンサタバサ店舗(4月撮影、横浜市内)

サマンサタバサ店舗(4月撮影、横浜市内)

◇2期連続の最終赤字
2018年2月期は主要ブランドの「Samantha Thavasa(サマンサタバサ)」のリブランディングを進めた。だが、生産や納品の遅れに加えて店舗再編などの影響で、売上高(連結)は321億5,830万円(前期比9.3%減)に沈んだ。
利益面は、人件費などを抑制したが、リブランディングに伴う先行投資や事業再編による特別損失32億5,747万円を計上し、最終損益(親会社株主に帰属する当期純利益)は36億6,939万円の赤字となった。
現預金は18億2,774万円減の25億6,403万円と大幅に減少し、連結キャッシュフローは営業、投資、財務活動のいずれもマイナスとなった。

◇2019年2月期は減収も黒字転換を見込む
2019年2月期(連結)の業績予想は、売上高274億9,700万円と前期比46億6,100万円減の大幅減収を見込んでいる。上半期(3-8月)に約400店舗のうち、約1割の低採算店舗を閉鎖する予定だ。
足を引っ張っていた物流体制は、秋には健全になるように進め、人件費や家賃などの抑制効果で最終損益は1億1,700万円と3期ぶりの黒字を目指す。

寺田社長は「リブランディングして原点に戻り、生産性と成果にこだわる」と今後の展望を語った。カンパニー制の導入による経費削減や、9月末までに社長自ら1,500名のスタッフと面談し、モチベーションの組み直し策も講じる。
競争が激化するアパレル業界。回復は容易でないだけに、ブランドの再構築が業績浮上の鍵になっている。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年4月24日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)

 TSR情報とは

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

退職代行「モームリ」、運営会社の代表変更

退職代行「モームリ」を運営する(株)アルバトロス(TSRコード:694377686、横浜市)は、公式ホームページの代表取締役を変更した。

2

  • TSRデータインサイト

バイオベンチャーのSpiber、事業譲渡後に特別清算 ~ ユニコーン企業、2025年12月期は438億円の最終赤字 ~

バイオベンチャーとして注目されたSpiber(株)(TSRコード:363798706、山形県鶴岡市)が約300億円の債務超過を解消できず、新会社に事業を譲渡後、特別清算を申請する方針を固めた。

3

  • TSRデータインサイト

家事代行の倒産が過去最多 ~ 老舗・大手がひしめくなか、参入も急増 ~

共働きや独身世帯の増加で、掃除や料理、洗濯、ベビーシッターなど、家事代行(家事サービス)のニーズは高い。子育てだけでなく介護も加わり、市場は広がる。 一方、家事代行業者の倒産が急増している。2025年度は4-2月で11件に達し、すでに過去最多を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

「イタメシ」「韓国料理」など専門料理店の倒産最多 ~ インバウンドの取りこぼしと輸入食材の高騰 ~

イタメシ、韓国料理、フレンチ、タイ料理など専門料理店の倒産が急増している。2025年度(4-3月)の倒産は2月までにバブル期の1988年度以降、最多の85件に達した。

5

  • TSRデータインサイト

メインバンク取引社数 国内10位の金融Gに しずおかFGと名古屋銀が統合へ、2万8,121社

メインバンクの取引社数が全国16位のしずおかFGの静岡銀行(1万8,762社)と、名古屋銀行(9,359社)が、経営統合に基本合意したことを発表した。両行のメイン取引社数は合計2万8,121社で、国内金融グループで10位の地銀グループが誕生する。

TOPへ