• TSRデータインサイト

スマートデイズの赤間代表、「関連会社は休眠に」

 4月18日、東京地裁から民事再生手続きの棄却を受けた(株)スマートデイズ(TSR企業コード:294730672、東京都中央区)の赤間健太代表は19日午後、東京商工リサーチ(TSR)の取材に応じ、「(関連会社の)ステップライフとシェアハウス東京は、保全管理人の判断になるが、破産する理由がないので休眠になると思う」と述べた。
民事再生棄却後、赤間代表が公の場に姿を現すのは初めて。

赤間代表(右)と菅澤前社長(4月14日、都内)

赤間代表(右)と菅澤前社長(4月14日、都内)

 19日17時30分より、スルガ銀行・スマートデイズ被害弁護団の紀藤正樹弁護士(リンク総合法律事務所)と弁護団にオブザーバー参加する加藤博太郎弁護士(わたなべ法律会計事務所)ら6名と、スマートデイズの赤間代表と菅澤聡前社長は、都内で協議した。
出席者によると、民事再生の申請代理人である南賢一弁護士のほか柴原多弁護士(西村あさひ法律事務所)らも協議に出席したという。

18時50分、協議を終えた紀藤弁護士はTSRの取材に応じ、「被害弁護団が把握しているスマートデイズの資金の流れとスマートデイズ側の認識をすり合わせた。スルガ銀行との対峙に備えての行動だ」と述べた。
19時20分、赤間代表と菅澤前社長も取材に応じ、「(関連会社の)ステップライフとシェアハウス東京は、保全管理人の判断になるが、破産する理由がないので休眠になると思う」(赤間代表)との見解を示した。両社とも金融債務はないという。
スマートデイズが東京地裁へ提出した「民事再生手続開始申立書」によると、スマートデイズの資本金は11億20万円で、筆頭株主のオーシャナイズは議決権の75%を有している。これとは別にオーシャナイズは、少なくとも10億円をスマートデイズに資本準備金として出資している。このため、スマートデイズの経営破たんがオーシャナイズの資金繰りや財務への影響を心配する声が一部であがっている。
この点について赤間代表は「ここはどういう風に動いていくかというのは色々相談している最中」と述べた。

文中の企業の詳細は以下の通り。
・ステップライフ=(株)ステップライフ(TSR企業コード:022350837、東京都中央区、菅澤聡社長)
・シェアハウス東京=(株)シェアハウス東京(TSR企業コード:300505531、東京都中央区、大地則幸社長)
・オーシャナイズ=(株)オーシャナイズ(TSR企業コード:296564656、東京都港区、菅澤聡社長)

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年4月23日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)

 TSR情報とは

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「社長の出身大学」 日本大学が15年連続トップ 40歳未満の若手社長は、慶応義塾大学がトップ

2025年の社長の出身大学は、日本大学が1万9,587人で、15年連続トップを守った。しかし、2年連続で2万人を下回り、勢いに陰りが見え始めた。2位は慶応義塾大学、3位は早稲田大学と続き、上位15校まで前年と順位の変動はなかった。

2

  • TSRデータインサイト

内装工事業の倒産増加 ~ 小口の元請、規制強化で伸びる工期 ~

内装工事業の倒産が増加している。業界動向を東京商工リサーチの企業データ分析すると、コロナ禍で落ち込んだ業績(売上高、最終利益)は復調している。だが、好調な受注とは裏腹に、小・零細規模を中心に倒産が増加。今年は2013年以来の水準になる見込みだ。

3

  • TSRデータインサイト

文房具メーカー業績好調、止まらない進化と海外ファン増加 ~ デジタル時代でも高品質の文房具に熱視線 ~

東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースによると、文房具メーカー150社の2024年度 の売上高は6,858億2,300万円、最終利益は640億7,000万円と増収増益だった。18年度以降で、売上高、利益とも最高を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

ゴルフ練習場の倒産が過去最多 ~ 「屋外打ちっぱなし」と「インドア」の熾烈な競争 ~

東京商工リサーチは屋外、インドア含めたゴルフ練習場を主に運営する企業の倒産(負債1,000万円以上)を集計した。コロナ禍の2021年は1件、2022年はゼロで、2023年は1件、2024年は2件と落ち着いていた。 ところが、2025年に入り増勢に転じ、10月までの累計ですでに6件発生している。

5

  • TSRデータインサイト

解体工事業の倒産が最多ペース ~ 「人手と廃材処理先が足りない」、現場は疲弊~

各地で再開発が活発だが、解体工事を支える解体業者に深刻な問題が降りかかっている。 2025年1-10月の解体工事業の倒産は、同期間では過去20年間で最多の53件(前年同期比20.4%増)に達した。このペースで推移すると、20年間で年間最多だった2024年の59件を抜いて、過去最多を更新する勢いだ。

TOPへ