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ジャパンライフ 債権者が破産申し立て、資産隠しの疑いも

 2017年12月26日に銀行取引停止処分を受けたジャパンライフ(株)(TSR企業コード:291624898、千代田区)。その後も「倒産していない」と顧客に強弁していたが、2月9日に債権者22名(申立債権額4億5,157万円)から東京地裁に破産を申し立てられ、同日保全管理命令を受けた。保全管理人には高松薫弁護士(隼あすか法律事務所、千代田区霞が関3-2-5)が選任された。
負債総額は2405億円(平成29年3月末時点)。ジャパンライフによると平成29年7月末の預託者数(会員)は6855名。申立日に保全管理命令を受けるのは極めて異例。
東京地裁から保全管理人が選任され、ジャパンライフが自由に財産を動かすことは難しくなった。ジャパンライフの今後の出方が注目される。東京地裁はジャパンライフに審尋を行い、破産開始決定を出すか検討する。ジャパンライフの山口隆祥代表は審尋に出席するのか。これまでの営業手法や責任について何を述べるのだろうか。

迅速な被害弁護団の申し立て

 2月10日、全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会(以下、被害弁護団)が16時から都内で記者会見を行った。
団長の石戸谷豊弁護士(港共同法律事務所、横浜市)は、ジャパンライフを「組織的な詐欺商法」と述べた。その上で、「早期の(破産開始)決定を得て、売却された不動産や資産を集約して被害者へ多くの配当が行き渡るよう協力していく」と話した。また、「弁護士に相談していない被害者も、少しでも手元に戻るよう努力する。ぜひ名乗り出て欲しい」と呼びかけた。

会見する被害弁護団

会見する被害弁護団(2月10日撮影)

 被害弁護団事務局長の大迫惠美子弁護士(荻窪法律事務所、杉並区)は、「(ジャパンライフは)組織的な締め付けが大きかったがやっと動き出した」と語り、「先行して被害者対策を行なっていたジャパンライフ中部被害対策弁護団(団長:杉浦英樹弁護士)が刑事告発などいち早く動いてくれ、また東京地裁が公正な手続きを迅速に対応した」と早期の破産申立に繋がった経過を説明した。
数千万円が必要とされた破産手続きの予納金は「被害者の大半は全財産をジャパンライフに渡している。そのため裁判所と協議したほか、全国各地の弁護士の協力で消費者問題などに用いられるお金をお借りした。予納金は1,000万円」(大迫弁護士)と、被害者に負担のない方法で予納金を裁判所に納付したことを明らかにした。
石戸谷弁護士は「(ジャパンライフは)債務超過で、支払不能の状態を自ら認めており、(破産原因を)十分に疎明できる」と破産開始決定への自信をのぞかせた。
今後、審尋を経て破産手続きを開始するか裁判所が判断する。被害弁護団は「(破産手続開始決定が下りるまで)早くても1カ月は掛かる」との見通しを述べた。

告示書が貼られたジャパンライフ本社

告示書が貼られたジャパンライフ本社(2月9日撮影)

不透明な不動産取引と荷物の運び出し

 ジャパンライフは高齢者を中心に数百万円の磁気ベストなどの預託販売を行ってきた。しかし、消費者庁が昨年1年間で4回の行政処分を出し、営業手法が社会問題化していた。
また、昨年12月に突然、当時の山口ひろみ社長が辞任し、本社不動産を売却していた。さらに取引先への支払い遅延も常態化し、12月26日には銀行取引停止処分を受けて事実上倒産している。
だが、今年に入ると一転して全国各地で顧客向け説明会を開き、「(東京商工リサーチが報じた)倒産はしていない。事業を継続していく」と話し、新会社の設立なども説明していた。
ジャパンライフが事業継続に向けて活発に活動を再開する中で、東京商工リサーチはジャパンライフが水面下で見せる不穏な動きを追い続けていた。
例えば、所有不動産の売却だ。ジャパンライフは昨年12月に銀行取引停止処分を受けた後に、所有不動産を取引業者へ売却したことを示す登記内容の変更が確認された。だが、不動産登記簿によると、売却日は取引停止処分や税金滞納などの差押日に遡って売却したことになっていた。その後、今年1月18日(登記日2月1日)、合意解除により取引業者の所有権が抹消されたが、この取引以外も所有権移転日を遡る不動産取引が確認された。
また、ジャパンライフに電話が繋がらなくなった12月22日、本社から書類などを従業員が運び出す様子がみられた。銀行取引停止処分後もジャパンライフ本社では従業員とみられる複数の人物が荷物を運び出していた。
1月30日、ジャパンライフ本社前に大量の段ボールやゴミ袋があった。その中には、速達郵便物や重要書類と思われる資料が無造作に詰められており、外からもひと目で中身がわかる状態で置かれていた。それを従業員とみられる人物が乗用車に黙々と運び込んでいた。
2月に入っても本社では書類などを段ボール箱に詰め込む作業が続いていた。債権者が破産を申し立て、東京地裁が保全管理命令を出した2月9日夜も、本社には大量の書類が詰め込まれた箱が並んでいた。

荷物が並ぶジャパンライフ本社

荷物が並ぶジャパンライフ本社(2月10日撮影)

 本社にあった大量の証拠資料をすべて運び出す寸前の保全命令だったのだろうか。関係者のひとりは、「ジャパンライフは本社を埼玉県の工場に移すようだ」と話していたが、重要書類の行く先はどこなのか。

 被害弁護団の迅速な破産申し立てで、東京地裁はジャパンライフに保全管理命令を出した。破産開始決定が下りると幹部や社外への資金、資産の流出先などを管財人が調査する。果たしてパンドラの箱が開くのだろうか。
保全管理命令が出てからジャパンライフは対外的なコメントを一切出していない。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年2月14日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)


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