• TSRデータインサイト

「チャイナリスク」関連倒産(1月)

 1月の「チャイナリスク」関連倒産は6件(前年同月比500.0%増)で、2017年4月以来9カ月ぶりに前年同月を上回った。ただ、2016年12月以降、14カ月連続一ケタ台で推移しており、チャイナリスク関連倒産は2016年をピークに落ち着きをみせている。
 負債総額は27億7,100万円(同295.8%増)だった。
 なお、倒産に集計されない事業停止や破産準備中などの「実質破綻」は1月は2件だった(前年同月は4件)。


  • 「チャイナリスク」関連の集計基準
    「チャイナリスク」関連の経営破綻は、破綻の原因が次の8項目のどれかに該当するものを集計している。
    1. コスト高(人件費、製造コストの上昇、為替変動など)
    2. 品質問題(不良品、歩留まりが悪い、模倣品、中国生産に対する不信など)
    3. 労使問題(ストライキ、工場閉鎖、設備毀損・破棄など)
    4. 売掛金回収難(サイト延長含む)
    5. 中国景気減速(株価低迷、中国国内の消費鈍化、インバウンドの落ち込みなど)
    6. 反日問題(不買、取引の縮小、暴動など)
    7. 価格競争(中国の在庫調整に伴う相場下落、安価製品との競合など)
    8. その他

チャイナリスク関連倒産月次推移

 1月の最大の倒産となった林産業(株)(香川県、負債16億3,200万円、コスト高)は、主力商品の女性用下着を中国の現地法人で製造していた。しかし、中国での生産コスト上昇に対し価格転嫁が十分にできず、1月15日に高松地裁丸亀支部から破産開始決定を受けた。
 林産業の破産申立書には、「営業部門、企画力の弱さから十分な収益を確保できる売価設定ができなかった」「(中国法人を含め)グループ全体の経営状態を十分に把握できていなかった」と経営管理の甘さとコスト至上主義の失敗が記載されている。
 中国の生産コスト上昇は、価格競争力を求めて進出した日系企業を直撃している。中国など海外でのビジネスは商慣習の違いや商流の変化、会計基準の違いなどから経営管理を複雑化させる。すでに中国に進出している日系企業は、こうした違いを乗り越えて「コスト」以外の付加価値をどう創出するかを問われている。

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「建設コンサルタント」 の業績拡大 ~ 災害対策や老朽化修繕など、安全対策が寄与 ~

2025年1月に埼玉県八潮市で発生した下水道管の破損による大規模な道路陥没事故から1年が経過した。事故を機に普段何気なく利用するインフラの老朽化を身近に感じた人も多いだろう。工事を直接担うのは建設会社だがその裏で設計監理する土木工事の「建設コンサルタント」の業績が好調だ

2

  • TSRデータインサイト

病院経営の法人、採算悪化で赤字法人が5割に迫る 収入は微増、利益はコロナ禍から1兆円以上の大幅減

全国で「病院」を経営する6,266法人の直近決算は、約半数にのぼる3,021法人(構成比48.2%)が赤字だったことがわかった。赤字法人率はコロナ禍以降、3年連続で上昇した。

3

  • TSRデータインサイト

2月の「人手不足」倒産 「求人難」が3.3倍に急増 従業員の採用と賃上げで中小企業は苦悩強まる

2026年2月の「人手不足」倒産は47件(前年同月比147.3%増)で、2025年9月の48件以来、5カ月ぶりに40件台に乗せた。2026年1-2月累計は83件(前年同期比45.6%増)で、同期間では調査を開始した2013年以降、最多だった前年の57件を大きく上回り、増勢を強めている。

4

  • TSRデータインサイト

2月の「ゼロゼロ融資」利用後倒産は27件 返済開始の最後のピークを控え、今後増勢の懸念も

2026年2月の「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」を利用した企業の倒産は、27件(前年同月比18.1%減)で、2カ月連続で前年同月を下回った。

5

  • TSRデータインサイト

2月の「税金滞納」倒産は10件、3カ月ぶりに減少 10件すべて破産、税金滞納が経営再建の障害に

2026年2月の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、10件(前年同月比33.3%減)だった。3カ月ぶりに前年同月を下回り、2月としては2年連続で減少した。

TOPへ