• TSRデータインサイト

第二報!ジャパンライフ取材ルポ (12月22日15時~)

「12月23日、土曜日」

【9時30分】地方のジャパンライフ店舗
通常は土曜日も店舗が開いているが、入口のドアは閉ざされたまま。中に人がいる気配はない。

【14時30分】埼玉工場
入口の門扉は閉ざされたまま。駐車場には従業員が通勤に利用している車両もなく、人の出入りはない。

ジャパンライフ埼玉工場

ジャパンライフ埼玉工場

「12月24日、日曜日」

本社に電話するが応答なし。

「12月25日、月曜日」

【8時00分】ジャパンライフ本社
本社に従業員の出入りはなく、入口ドアは閉ざされている。

【9時00分】
マスコミや債権者が集まり始める。宅配業者が荷物を届けに来たが、社内に入れず引き返す。

【10時00分】
関連会社の従業員に取材。「今日(25日)は給料日だが、現時点で給料が入っていない」と語る。

【10時5分】
花屋が本社を訪れる。花の取り換えに来たが、入れないので引き返す。

【10時25分】
埼玉工場に電話。女性が対応し、「埼玉工場は通常通り動いている」と話す。本社が開いていない理由を聞くと、「詳細は分からない」とコメント。

【10時30分】
ジャパンライフの地方店舗へ電話すると「誠に勝手ながら本日はお休みを頂いております」と自動アナウンスが流れる。

【10時35分】
金融機関の担当者が訪れる。連絡が取れず来たという。12月15日に山口ひろみ社長が辞任したことは「知らない」と語る。

【11時50分】
派遣社員が荷物を取りにくる。「金曜日(12月22日)に荷物をまとめるようにジャパンライフより指示があった」という。

【12時35分】
ジャパンライフの関係者より、25日に入るはずの給料の入金がないとの情報がもたらされる。

【13時30分】
ジャパンライフが12月20日に、一回目の資金ショートを引き起こしたとの情報が入る。

 4度目の行政処分、被害対策弁護団の告発と時を同じく、社長辞任、本社売却と動きが急に慌ただしくなったジャパンライフ。先週末から社内は混乱しているようだ。高齢女性など会員から集めた預り金は2,000億円を超すとみられる。多数の一般個人を巻き込む最悪の事態に発展すると負債4,330億円を抱え破産した(株)安愚楽牧場(TSR企業コード:260136662)の再来になる可能性もある。
会社側は預り金をどうしたのか。何を考えているのか。本社が沈黙を続ける以上、会員や債権者の不安が日ごとに募るのは当然だ。一日も早い会社側の説明が求められる。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2017年12月26日号掲載予定「取材の周辺」を一部抜粋)

 TSR情報とは

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

ハンバーガー店の倒産、最多更新 ~ 材料高騰、大手と高級店の狭間で模索 ~

年齢を問わず人気のハンバーガー店が苦境だ。2024年は1件だった倒産が、2025年は8月までに7件に達し、過去最多の2014年の年間6件を上回った。

2

  • TSRデータインサイト

2025年「全国のメインバンク」調査 ~GMOあおぞらネット銀行 メイン社数の増加率2年連続トップ~

「2025年全国企業のメインバンク調査」で、GMOあおぞらネット銀行が取引先のメインバンク社数の増加率(対象:500社以上)が2年連続でトップとなった。

3

  • TSRデータインサイト

タクシー業界 売上増でも3割が赤字 人件費・燃料費の高騰で二極化鮮明

コロナ禍を経て、タクシー業界が活況を取り戻している。全国の主なタクシー会社680社の2024年度業績は、売上高3,589億5,400万円(前期比10.6%増) 、利益83億3,700万円(同11.1%増)で、増収増益をたどっている。

4

  • TSRデータインサイト

「葬儀業」は老舗ブランドと新興勢力で二極化 家族葬など新たな潮流を契機に、群雄割拠

全国の主な葬儀会社505社は、ブランド力の高い老舗企業を中心に、売上高を堅調に伸ばしていることがわかった。 ただ、新たに設立された法人数が、休廃業・解散や倒産を上回り、市場は厳しい競争が繰り広げられている。

5

  • TSRデータインサイト

2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査

全国160万5,166社の“メインバンク”は、三菱UFJ銀行(12万7,264社)が13年連続トップだった。2位は三井住友銀行(10万1,697社)、3位はみずほ銀行(8万840社)で、メガバンク3行が上位を占めた。

TOPへ