• TSRデータインサイト

東芝、ウェスチングハウス株を追加取得へ

 経営再建中の(株)東芝(TSR企業コード:350323097、東証2部、東京都)は10月3日、カザトムプロム(カザフスタン)よりウェスチングハウスグループ(以下、WHグループ)の株式についてプットオプション(株式売却権)を行使する旨の通知を受けたと発表した。
 WHグループは東芝の連結子会社として海外原子力事業を担っていたが、3月29日に米国連邦破産法第11章を申請し、東芝の連結対象から外れている。カザトムプロムはWHグループの株式を10%保有し、東芝へのプットオプションを有していた。
 東芝の買取価格は約5億2,200万ドル(約590億円)で、取得日は2018年1月1日。10月4日、東芝の担当者は東京商工リサーチの取材に、「代金の支払いは取得日に行われる予定。資金手当てについては非開示だが、支払いに問題はないと認識している」と話した。
 プットオプションの行使により2018年3月期の連結損益に153億円の悪化要因が生じ、連結貸借では646億円を押し下げる。この点について東芝の担当者は、「153億円が損益計算書上のどの段階で計上されるか現時点では未定だ。ただ、営業損益には該当しない。株主資本は646億円減少するが、8月10日公表の業績見通しに織り込み済み」とコメントしている。

 (東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2017年10月5日号掲載予定「SPOT情報」を転載)

 TSR情報とは

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

ハンバーガー店の倒産、最多更新 ~ 材料高騰、大手と高級店の狭間で模索 ~

年齢を問わず人気のハンバーガー店が苦境だ。2024年は1件だった倒産が、2025年は8月までに7件に達し、過去最多の2014年の年間6件を上回った。

2

  • TSRデータインサイト

2025年「全国のメインバンク」調査 ~GMOあおぞらネット銀行 メイン社数の増加率2年連続トップ~

「2025年全国企業のメインバンク調査」で、GMOあおぞらネット銀行が取引先のメインバンク社数の増加率(対象:500社以上)が2年連続でトップとなった。

3

  • TSRデータインサイト

タクシー業界 売上増でも3割が赤字 人件費・燃料費の高騰で二極化鮮明

コロナ禍を経て、タクシー業界が活況を取り戻している。全国の主なタクシー会社680社の2024年度業績は、売上高3,589億5,400万円(前期比10.6%増) 、利益83億3,700万円(同11.1%増)で、増収増益をたどっている。

4

  • TSRデータインサイト

「葬儀業」は老舗ブランドと新興勢力で二極化 家族葬など新たな潮流を契機に、群雄割拠

全国の主な葬儀会社505社は、ブランド力の高い老舗企業を中心に、売上高を堅調に伸ばしていることがわかった。 ただ、新たに設立された法人数が、休廃業・解散や倒産を上回り、市場は厳しい競争が繰り広げられている。

5

  • TSRデータインサイト

2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査

全国160万5,166社の“メインバンク”は、三菱UFJ銀行(12万7,264社)が13年連続トップだった。2位は三井住友銀行(10万1,697社)、3位はみずほ銀行(8万840社)で、メガバンク3行が上位を占めた。

TOPへ