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警備業界は大手2社の寡占化が進む 人手不足で倒産・休廃業が過去最多

2024年「警備業」倒産・業績動向調査


 全国の主な警備会社828社の2024年の業績は、売上高が1兆9,180億円(前年比2.6%増)、最終利益は1,604億円(同15.6%増)と、堅調に推移している。
 業界市場は拡大しているが、大手の寡占化が進み、中小・零細事業者は人手不足でコストが上昇し、経営環境は厳しさを増している。2024年の警備業の倒産、休廃業・解散は138件で、2000年に調査を開始して以降、年間最多だった2022年(87件)を超え、最多を更新した。

 東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースで、全国の警備会社828社の業績を調査した。売上高100億円以上の警備会社は25社と全体の3.0%にすぎないが、売上高は1兆1,674億2,100万円と全体の60.8%を占めている。特に、セコム(株)(TSRコード:291155480、売上高4,056億7,100万円)と綜合警備保障(株)(TSRコード:290129273、売上高2,566億3,300万円)の2社で、売上全体の34.5%を占めるなど寡占化が進んでいる。

 大手2社を除いた2024年の売上高は1兆2,557億8,900万円(前年比2.2%増)だった。大手2社を除く利益は470億6,100万円(同3.1%増)だったが、警備業全体の利益伸長率よりも劣った。
 大手の寡占化が進むなか、中小・零細事業者の人手不足は深刻で、競争激化に苦しむ中小の警備業は淘汰される可能性が高い。

※ 本調査は、日本標準産業分類の「警備業」の倒産(負債1,000万円以上)と休廃業・解散を集計、分析した。
※ 東京商工リサーチの企業データベース(約440万社)から、日本産業分類の警備業を対象に、2024年の業績(2024年1月~2024年12月期)を最新期とし、5期連続で業績が判明した828社を抽出、分析した。


警備業の利益率 過去5年で最高

 全国の主な警備会社828社の2024年の売上高は1兆9,180億9,300万円(前年比2.6%増)で、2022年から3年連続で増収を維持している。
 売上高は、コロナ禍でイベント開催が中止や延期された2020年は1兆8,286億2,000万円、2021年は1兆8,139億4,600万円(前年比0.8%減)と低迷した。だが、徐々にイベント開催需要が回復し、防犯意識の高まりや工事現場が通常モードに戻るにつれ、2022年は1兆8,650億7,400万円(同2.8%増)、2023年は1兆8,691億5,100万円(同0.2%増)、2024年は1兆9,180億9,300万円(同2.6%増)と3期連続で増収をたどっている。
 また、利益は大手企業の大型案件の有無などによって波があるものの、2024年の利益は1,604億7,600万円(同15.6%増)だった。大手の業績伸長により、2024年の利益率は8.3%と前年(7.4%)を上回り、過去5年で最高となった。

警備業の業績推移

売上高伸長別 0~5%未満が303社

 売上高の増減収別では、最新期は増収が430社(構成比51.9%)、減収は300社(同36.2%)、横ばいは98社(同11.8%)だった。
 2024年の売上高伸長率は、0~5%未満が303社(同36.5%)でトップ。次いで、▲5~0%未満が141社(同17.0%)、10~100%未満が119社(同14.3%)、5~10%未満が104社(同12.5%)、▲10%未満が88社(同10.6%)と続く。

警備業 売上高伸長率別

資本金別 1億円以上は4.2%

 資本金別は、最多が1千~5千万円未満の492社(構成比59.4%)だった。
 次いで、1百~1千万円未満の229社(同27.6%)、5千万~1億円未満の58社(同7.0%)の順。
 資本金1億円以上は35社(同4.2%)で、資本金額が最も多かったのはセコム(株)(東京都)の664億2,700万円だった。

警備業 資本金別

倒産と休廃業・解散の合計が最多

 2024年の警備業の休廃業・解散は122件(前年比87.6%増)、倒産は16件(同60.0%増)で合計138件(同84.0%増)に達した。合計138件は、2000年以降で最多となった。
 2024年の倒産は、負債5,000万円未満が11件(構成比68.7%)で、交通誘導などの小規模な倒産が目立った。
 また、2025年1-4月の倒産は、すでに8件(前年同期6件)発生し、人手を確保できない小・零細規模業者を中心に増勢をたどっている。

警備業の休廃業・解散、倒産 年次推移



 警備業は小・零細事業者が圧倒的に多いが、売上高10億円以上は2022年197社、2023年199社、2024年205社と、コロナ禍を経て増加をみせている。人手不足が続く中、警備業界は従来の人員任せから変貌を遂げ、大手はロボットやドローンの活用、AIによる画像解析など、最新のテクノロジーを駆使し、業績向上に繋げている。また、検定の有資格者の増員で受注単価の引き上げを実現する企業もある一方で、人員増強や投資が後手に回り、競争力を喪失する企業の二極化が拡大している。

 従業員の教育不足や廉価受注などの事業者も指摘され、顧客ニーズを深堀できない事業者の淘汰はこれから本番を迎えるとみられる。今後は、これまで以上に「人」と「テクノロジー」をミックスした質の高いサービスを提供できるかが生き残りのカギになるだろう。

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