2025年5月の「負債1,000万円未満」倒産42件 1-5月は月平均40.2件で、小康状態が続く
2025年5月「負債1,000万円未満」倒産状況
2025年5月の負債1,000万円未満の倒産は42件(前年同月比22.2%減)で、3カ月連続で前年同月を下回った。2月(52件)以来、3カ月ぶりに40件以上に乗せたが、小康状態が続いている。
2025年1-5月累計は201件(前年同期比7.3%減)で、月間平均40.2件で推移している。
産業別は、最多がサービス業他の13件(前年同月比35.0%減、構成比30.9%)だった。建設業だけが前年同月を上回り、農・林・漁・鉱業、卸売業、運輸業、情報通信業、サービス業他の5産業は前年同月を下回った。
形態別は、最多が破産の41件(前年同月比21.1%減)。このほか、特別清算が1件(前年同月2件)発生し、42件すべて「消滅型」だった。
原因別は、最多が「販売不振」の33件(前年同月比22.2%増)で、約8割(構成比78.5%)を占めた。次いで、事業上の失敗(同±0.0%)と他社倒産の余波(同78.5%減)が各3件で続く。
資本金別では、1千万円未満が37件(構成比88.0%)と、小・零細企業が大半を占めた。
負債1,000万円未満の倒産は大半が小・零細企業で、ゼロゼロ融資などコロナ関連の資金繰り支援策の副作用で過剰債務から抜け出せないケースもある。また、支援策で負債が膨らみ、本来負債1,000万円未満でとどまっていたはずが同1,000万円以上にカウントされるケースも出ている。
物価高や経済活動の再開で、急激な人手不足や人件費上昇に見舞われ、収益が圧迫されるなか、取引先や顧客との力関係で価格転嫁が進まない企業も少なくない。このため、新たな資金調達が難しい企業を中心に、負債1,000万円未満の倒産は増加に転じる懸念もある。
※本調査は、2025年5月に全国で発生した企業倒産(法的、私的)のうち、企業倒産集計(負債1,000万円以上)に含まれない負債1,000万円未満の倒産を集計、分析した。